ジョン・ジェイコブ・ジングルハイマー・シュミット

ジョン・ジェイコブ・ジングルハイマー・シュミット(John Jacob Jingleheimer Schmidt)は、アメリカ合衆国で生まれた伝統的な子供の歌である。この歌は1つの節の繰り返しでできており、繰り返すごとにボリュームを上げ(あるいは、最後の「ダダダ・・・」のフレーズ以外はボリュームを下げ)て歌われる。繰り返すごとにテンポを上げたり(アッチェレランド)下げたり(リタルダンド)といった歌われ方をすることもある。歌詞は、歌う人によって異なる。

歌詞とメロディ

歌詞にはバリエーションがある。例えば、次に挙げるものが1つのバージョンであり、テンポやピッチを変えつつ何度も繰り返される[1]


 {
 \key d \major \time 4/4
 \repeat volta 2 { fis'2 e'4 d' 
 a8 g'8 g'8 fis'8 g'4 r
 g'8 g'4 g'8 a'4 e'4 
 fis'2. r8 fis'8
 a fis' fis' eis' fis'4. ais8
 b8 g' g' fis' g'4 fis'8 g'
 a'4 a'8. b'16 a'8 g' fis' e'
 d' a' a' b' a' g' fis' e' }
 }
 \addlyrics {
John Ja -- cob Jin -- gle -- hopp -- er Schmidt!
His name is my name, too! 
When -- ev -- er we go out, 
The peo -- ple al -- ways shout!
(There goes) John Ja -- cob Jin -- gle -- hopp -- er Schmidt!
(Ya da da da da da da...)
}

起源

この歌の起源ははっきりしないが、そのルーツが19世紀末から20世紀初頭に移民のコミュニティで人気となったヴォードヴィル劇場での演劇にあるとする説がある。ジョー・ウェーバー(英語版)ルー・フィールズ(英語版)の作品など、当時のボードビル劇には、ドイツ系アメリカ移民にあったフラストレーションを表明するものがよくあり、ユーモアの手段として英語の誤用語や難しさが多用されていた[2]。さらに、「ジョン・ジェイコブ・ジングルハイマー・シュミット」は、『おいらの名前はヨン・ヨンソン(英語版)』という19世紀末のスウェーデンのヴォードヴィルに起源を遡ることのできる歌と、多くの共通する特徴を持つ。

20世紀半ばまでには、この歌は広く知られるようになっていたものと見られる。1931年、ニューヨーク州北部の新聞であるエルマイラ・スターガゼットは、セネカ湖に集まったボーイスカウトが食堂に入ると、「第18隊は、にわかに、最初のキャンプ・ソングである『ジョン・ジェイコブ・ジングルホッパー・スミス(John Jacob Jinglehopper Smith)』を歌い出した」と報じている[3]。1941年のミルウォーキー・ジャーナル(英語版)の記事も、「ジョン・ジェイコブ・ジングルホッパー・スミス」という同じ名前で、この歌に言及している[4]

この歌は、『決して終わらない歌(英語版)』や『おいらの名前はヨン・ヨンソン』、『マイケル・フィネガン(英語版)』といった歌と同様に、無限ループで歌うことができる。

他の言語でも、この歌を翻訳したものを見ることができ、スペイン語版では『フアン・パコ・ペドロ・デ・ラ・マール(Juan Paco Pedro de la Mar)』となっている。

有名な登場場面

  • ダディー・デュードロップ(英語版)は、『ジョン・ジェイコブ・ジングルホッパー・スミス』のタイトルで、1971年のシングル『チック・ア・ブーム(英語版)』のB面としてこの歌をリリースした[5]
  • コメディSF映画『ロケットマン(英語版)』(1997年)
  • ディズニーのアニメ映画『リセススクールズ・アウト(英語版)』(2001年)
  • メイベリー110番』のエピソード「バック・トゥ・ネイチャー」(1964年、シーズン4、エピソード31)
  • ポーリー・ショア(英語版)デヴィッド・アラン・グリアアンディ・ディック(英語版)ロリ・ペティらが出演した1994年の映画『イン・ジ・アーミー・ナウ(英語版)』のワンシーンで、この歌が取り上げられている。
  • テレビ番組『サイク/名探偵はサイキック?』のエピソード「ロミオ・アンド・ジュリエット・アンド・ジュリエット」(2010年、シーズン5、エピソード1)の中で、ショーンがガスを紹介するときに、非常に似た「ジョナサン・ジェイコブ・ジングリー・スミス」という名を使い、「彼の名前がジョン・ジェイコブ・ジングルハイマー・シュミットだと言っているのか?」と疑わしげに問われるという場面がある。
  • 「ジョン・ジェイコブ・ジングルホッパー・シュミット」が、1995年の映画『3人のエンジェル』におけるロビン・ウィリアムズの役名となっている。

脚注

  1. ^ Dan Lynch (1991年6月23日). “Bug Juice Days” (英語). Albany Times Union. http://archives.timesunion.com/mweb/wmsql.wm.request?oneimage&imageid=5605568 2009年8月11日閲覧。 
  2. ^ Andrew Wasson. “John Jacob Jingleheimer Schmidt is not a Person” (英語). Dairy River. http://www.dairyriver.com/wordpress/?page_id=224 2010年3月4日閲覧。 
  3. ^ “Scouts Open Camp Seneca Term Sunday” (英語) (PDF). Elmira Star-Gazette: p. 8. (1931年7月6日). http://fultonhistory.com/Newspapers%2023/Elmira%20%20NY%20Star%20Gazette/Elmira%20NY%20Star%20Gazette%201931/Elmira%20NY%20Star%20Gazette%201931%20-%203438.pdf#xml=http://fultonhistory.com/dtSearch/dtisapi6.dll?cmd=getpdfhits&u=ffffffff93dab40a&DocId=4356972&Index=Z%3a%5cIndex%20O%2dG%2dT%2dS&HitCount=3&hits=d7c+d7d+d7e+&SearchForm=C%3a%5cinetpub%5cwwwroot%5cFulton%5fNew%5fform%2ehtml&.pdf 2014年10月9日閲覧。 
  4. ^ “Youth Finds Fun at Fair” (英語). Milwaukee Journal: p. 4. (1941年8月17日). https://news.google.com/newspapers?nid=1499&dat=19410817&id=Lu8ZAAAAIBAJ&sjid=6CIEAAAAIBAJ&pg=1408,206809 2014年7月3日閲覧。 
  5. ^ “Daddy Dewdrop "Chick-A-Boom (Don't Ya Jes' Love It)" single release” (英語). 2016年2月14日閲覧。

外部リンク

  • Music and lyrics on www.manythings.org
  • John Jacob Jingleheimer Schmidt (2D) | CoCoMelon Nursery Rhymes & Kids Songs(YouTube