マウンテン (バンド)

  • マウンテン
  • Mountain
  • コーキー・レイングス・マウンテン
  • ドイツ・ハンブルク公演(2016年)
基本情報
出身地
ジャンル
活動期間
レーベル
共同作業者 ウェスト、ブルース&レイング
メンバー
旧メンバー

マウンテンMountain)は、アメリカ合衆国ニューヨーク州出身のハードロック・バンドである。

グランド・ファンク・レイルロード(Grand Funk Railroad)と並び、アメリカン・ハードロックの草創期から活動する代表的グループとして知られる[3]

キャリア

1968年、巨漢のギタリスト、レスリー・ウェストと、クリームのプロデュースで知られるベーシスト、フェリックス・パパラルディが知り合ったことが、後のグループ結成へのいきっかけとなった。

1969年にリリースされたウェストのソロ・デビュー・アルバム『マウンテン』にはパパラルディとN.D.スマート(ドラムス)が参加し[4]、その後スティーヴ・ナイト(キーボード)を加えた4人でマウンテンが正式に結成された[5]。同年8月、ウッドストック・フェスティバルに出演し、その後ドラマーがウェストの旧友コーキー・レイングに交替する[5]

1970年に事実上のデビュー・アルバム『勝利への登攀』を発表。同作からのシングル「ミシシッピー・クイーン(英語版)」は全米21位のヒットとなり[6]、この曲は1971年の映画『バニシング・ポイント』の挿入曲に使用され[7]、またフジテレビの番組「ひらけ!ポンキッキ」の中でかなりの間使われていた。

WB&L時代のレスリー・ウェスト(右)。左はジャック・ブルース

1971年の『ナンタケット・スレイライド』は、アメリカのBillboard 200で彼等のアルバムとしては最高の16位を記録した[6]。1972年には日本で同アルバムからのシングル「暗黒への旅路」[8]がヒットした。その後ハード・ロック志向を強めるウェストと、ミシガン大学でクラシックを専攻した素養を生かしプログレッシヴ・ロック志向を強めた[要出典]パパラルディとの対立で1972年に解散した[9][10][注釈 1]。ウェストとレイングはジャック・ブルースと組み、ウェスト、ブルース&レイング(WBL)を結成。パパラルディも自前のバンドにおける活動に移る[要出典]

1973年、WBLの日本公演が企画されたが、その直前にブルースが脱退したため[11][注釈 2]、急遽パパラルディが呼ばれ、マウンテンの公演に差し替えられた。この公演はパパラルディとウェストに新メンバーのボブ・マン(キーボード、ギター)とアラン・シュワルツバーグ(ドラムス)を迎えた編成で同年8月に行われ[5]、その模様は1974年2月にライヴ・アルバム『異邦の薫り』として発表された。その後レイングが復帰して1974年7月にスタジオ・アルバム『雪崩』が発表され、国内ツアーも行なわれたが、ウェストとパパラルディの溝は埋まらず、年末に解散となる。

パパラルディはその後、プロデューサーとして日本のクリエイションやニューヨークのパンク・ロック・バンドであるデッド・ボーイズのアルバムを手がけ、ソロ・アルバムの制作も行ったが、1983年、アルバム・ジャケットの絵などを手がけていた妻ゲイル・コリンズに射殺される[12]

一方のウェストは、1978年スティーヴ・マリオットとザ・ファームを結成しようとするがデビューには至らず、その後ニューヨークで自分のギター教室を始める[13]

1980年代に入るとウェストとレイングはマウンテン名義で活動再開するようになり、1985年にスコッティ・ブラザーズ・レコードの契約を得て元コロシアムのマーク・クラーク(ベース)を迎えた編成でアルバム『風林火山』を発表した[14][13]。その後もウェストを中心に再結成を繰り返している。

2007年オジー・オズボーン、再結成したオールマン・ブラザーズ・バンドのギタリストのウォーレン・ヘインズをゲストとして迎え、全曲ボブ・ディランのカヴァーで制作した『Masters of War』を発表[15]2008年には、Fortéのベーシストとして知られるレヴ・ジョーンズを迎えた編成でツアーを行った[16]

その後ウェストが糖尿病の合併症にかかったので、事実上の活動は2010年頃で停止した。彼は2011年に右足の切断手術を受け、2020年12月23日、心不全により死去[17]

マウンテン活動停止後のコーキー・レイング(2016年)

全盛のメンバーで唯一存命中のレイングは、コーキー・レイングス・マウンテンを結成してライブ活動を行っている。

メンバー

最終ラインナップ

  • レスリー・ウェスト (Leslie West) - ギター、ボーカル(1969年 - 1972年、1973年 - 1974年、1981年 - 1985年、1992年 - 1998年、2001年 - 2010年)♰RIP. 2020
  • コーキー・レイング (Corky Laing) - ドラムス(1969年 - 1972年、1973年 - 1974年、1981年 - 1985年、1992年 - 1998年、2001年 - 2010年)
  • レヴ・ジョーンズ (Rev Jones) - ベース(2008年 - 2010年)

旧メンバー

  • フェリックス・パパラルディ (Felix Pappalardi) - ベース、ボーカル(1969年 - 1975年)♰RIP. 1983
  • N.D.スマート (N.D. Smart) - ドラムス(1969年)
  • スティーヴ・ナイト (Steve Knight) - キーボード(1969年 - 1972年)♰RIP. 2013
  • ボブ・マン (Bob Mann) - ギター、キーボード(1973年)
  • アラン・シュワルツバーグ (Allan Schwartzberg) - ドラムス(1973年)
  • マーク・クラーク (Mark Clarke) - ベース、ボーカル(1984年 - 1985年、1995年 - 1998年)
  • リッチー・スカーレット (Richie Scarlett) - ベース(1992年 - 1993年、2001年 - 2008年)
  • ランディー・コーヴェン(1993年 - 1994年)♰RIP. 2014
  • ノエル・レディング (Noel Redding) - ベース(1994年 - 1995年)♰RIP. 2003

ディスコグラフィ

スタジオ・アルバム

ライヴ・アルバム

  • 1972年 マウンテン・ライヴ 暗黒への挑戦 (Live - The Road Goes Ever On)
  • 1974年 異邦の薫り (Twin Peaks)
  • 2003年 グレイテスト・ヒッツ・ライヴ (Greatest Hits Live:King Biscuit Flower Hour Archive Series)

コンピレーション・アルバム

  • 1973年 ベスト・オブ・マウンテン (The Best of Mountain)
  • 1995年 Over the Top

日本公演

1973年

  • 8月25日 日本武道館
  • 8月28日 名古屋市公会堂
  • 8月29日 京都会館
  • 8月30日 大阪厚生年金会館
  • 8月31日 広島郵便貯金ホール

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ パパラルディは当時薬物中毒に陥って、コンサート活動に支障を来たしていたとされる。レイングの自伝によると、彼は慢性の聴覚異常などの様々な健康障害を理由にツアーには参加しないことをメンバーに宣言した。
  2. ^ レイングの自伝によると、1973年の春にセカンド・アルバムが完成した後、ブルースがイギリスで薬物中毒者に登録されてしまったのでアメリカに行けなくなり、計画されていたツアーが不可能になった。

出典

  1. ^ マウンテン ハードロック・ヘヴィ・メタル 2022年4月2日閲覧
  2. ^ マウンテン レスリー・ウエスト 2022年4月2日閲覧
  3. ^ “マウンテンのデビューアルバム『勝利への登攀』がアメリカンハードロックの基礎を築き上げた!”. OKMusic (2016年5月14日). 2020年12月26日閲覧。
  4. ^ Ruhlmann, William. “Mountain - Leslie West”. AllMusic. 2016年2月13日閲覧。
  5. ^ a b c Huey, Steve. “Mountain – Biography & History”. AllMusic. 2016年2月13日閲覧。
  6. ^ a b Mountain | Awards | AllMusic
  7. ^ Eder, Bruce. “Vanishing Point (Original Soundtrack) - Original Soundtrack”. AllMusic. 2016年2月13日閲覧。
  8. ^ “Discogs”. 2024年8月20日閲覧。
  9. ^ Laing & Takala (2019), p. 141.
  10. ^ Shapiro (2010), p. 152.
  11. ^ Laing & Takala (2019), p. 156.
  12. ^ Laing & Takala (2019), pp. 202–205.
  13. ^ a b Popson, Tom (1985年5月24日). “Getting Caught Up With A Mountain Man”. Chicago Tribune. 2016年2月13日閲覧。
  14. ^ Laing & Takala (2019), p. 206.
  15. ^ Campbell, Al. “Masters of War - Mountain”. AllMusic. 2016年2月13日閲覧。
  16. ^ “FORTÉ Pulls Out Of Germany's KEEP IT TRUE XI Festival; CAST IRON Steps In”. Blabbermouth.net (2008年9月1日). 2016年2月13日閲覧。
  17. ^ “マウンテンのレスリー・ウェストが逝去。享年75歳”. NME JAPAN (2020年12月24日). 2020年12月25日閲覧。

引用文献

  • Laing, Corky; Takala, Tuija (2019). Letters To Sarah. Helsinki: Polite Bystander Productions. ISBN 978-952-94-1530-4 
  • Shapiro, Harry (2010). Jack Bruce: Composing Himself: The Authorised Biography by Harry Shapiro. London: A Genuine Jawbone Book. ISBN 978-1-906002-26-8 

関連項目

外部リンク

  • Leslie West Mountain (lesliewestmountain) - Facebook
  • Corky Laing's Mountain (corkylaing) - Facebook
主催者: マイケル・ラング | ジョン・P・ロバーツ | ジョエル・ローズマン | アーティー・コーンフェルド
15日

リッチー・ヘブンス | スワミ・サチダナンダ | スィートウォーター | バート・ソマー | ラヴィ・シャンカル | ティム・ハーディン | メラニー | アーロ・ガスリー | ジョーン・バエズ

16日 - 17日
17日 - 18日
関連事項

マックス・ヤスガー | 演奏とイベント一覧 | 映画『ウッドストックがやってくる!』 | 映画『ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間』 | ウッドストック (曲)

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