マリアアザミ

マリアアザミ
マリアアザミ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: キク目 Asterales
: キク科 Asteraceae
: オオアザミ属 Silybum
: オオアザミ S. marianum
学名
Silybum marianum (L.) Gaertn. (1791)[1]
和名
マリアアザミ、オオアザミ
英名
Milk thistle

マリアアザミ学名: Silybum marianum)はキク科オオアザミ属の二年草。英名はミルクシスル (Milk thistle) 。原産地はヨーロッパ[2]地中海沿岸)。日本には嘉永年間に渡来し、西日本などに点在して帰化植物として分布している[2]標準和名オオアザミ(大薊)[1]。マリアアザミはその別名で[1]聖母マリアミルクを捧げる娘がトゲに触れ、驚いてこぼしたミルクが葉を白くしたという伝説による[2]中国名は、水飛薊[1]

特徴

二年草[2]は高さ60 - 150センチメートル (cm) ほどになり、無毛またはやや毛がある[2]根生葉が地表に広がって、大きな株になる[2]。根生葉の長さは40 cm、幅13 cmに達し、短い柄がつく[2]。中部以上のには柄がなく茎を抱き、根生葉とともに縁には長いトゲがある[2]葉脈に沿って白いまだら模様があるのが特徴[2]

花期は夏[2]。茎の頂部に頭花を1個つける[2]総苞は幅5 - 7 cmあり、総苞片は幅1.5 cmにもなり縁にトゲが多くつく[2]筒状花は紅紫色から淡紅色で、両生花、花糸の下部が合着して筒になるのは本種の特徴である[2]花床には毛状の鱗片が多い[2]

花後にできる果実は黒褐色で長さ6 - 7ミリメートル (mm) 、無毛で滑らかである[2]冠毛は長さ1.5 cmで脱落しやすい[2]種子にはシリマリン (Silymarin) と呼ばれる4種のフラボノリグナン類が多く含まれ、傷ついた肝細胞の修復を助けるとされている。

医療用途

シリビニン」も参照

成分シリマリンは、主な活性成分シリビニンを含む。

ヨーロッパでは2000年以上も前から、主に肝臓の疾患などに対して種子が利用されてきた。近年では肝機能改善のためのサプリメントとして利用されている。ドイツのコミッションE(ドイツの薬用植物の評価委員会)は、粗抽出物の消化不良に対する使用、標準化製品の慢性肝炎肝硬変への使用を承認している。米国ハーブ協会の分類はクラス1で、適切に使用される場合、安全に摂取することができるハーブに分類されている。

アメリカ国立補完統合衛生センターによる2012年の臨床試験では、一般的治療が効果を示さない慢性C型肝炎患者について、偽薬を上回る効果は確認できないとしている[3]

脚注

  1. ^ a b c d 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Silybum marianum (L.) Gaertn. オオアザミ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年7月21日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 長田武正 1976, p. 18.
  3. ^ Herbs at a Glance - Milk Thistle (Report). アメリカ国立補完統合衛生センター. July 2012. D285。

参考文献

  • 長田武正『原色日本帰化植物図鑑』保育社、1976年6月1日。ISBN 4-586-30053-1。 

外部リンク

  • オオアザミ(マリアアザミ、オオヒレアザミ、ミルクシスル) - 素材情報データベース<有効性情報>(国立健康・栄養研究所
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典拠管理データベース: 国立図書館 ウィキデータを編集
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