リン酸エステル(リンさんエステル、Organophosphate)は有機リン化合物のうち、リン酸とアルコールが脱水縮合したエステルを指す。リン酸 (O=P(OH)3) が持つ 3個の水素の全てまたは一部が有機基で置き換わった構造を持つ。その置換の数が 1, 2, 3個のものを順にリン酸モノエステル、リン酸ジエステル、リン酸トリエステルと呼び、リン酸エステルとはそれらの総称にあたる。
英語では phosphate、organophosphate、phosphoric ester、または phosphoric acid ester と呼ばれる。このうち phosphate はリン酸塩の英語名 (phosphate) と異義同語になっている。
リン酸ジエステル(ホスホジエステル)は生体において ATP や RNA などの部分構造として、生体分子の高次構造や機能に直結する重要な役割を担っている。
合成
リン酸エステルは、リン酸とアルコールの脱水縮合、あるいは、リン酸塩化物とアルコールとを塩基の作用により縮合させることで得られる。
また、亜リン酸エステル (P(OR)3 など) を酸化するとリン酸エステルに変わる。
関連項目
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P-O結合のみ | P(III) | - 亜リン酸エステル/有機亜リン酸エステル/ホスフィット (慣用呼称 ホスファイト) (phosphite)
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P(V) | - リン酸エステル/有機リン酸エステル/ホスファート (慣用呼称 ホスフェート) (phosphate)
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P-C結合 | 1つのP-C結合 | P(III) | - ホスホニット (慣用呼称 ホスホナイト) (phophonite)
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P(V) | - ホスホナート (慣用呼称 ホスホネート) (phosphonate)
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2つのP-C結合 | P(III) | - ホスフィニット (慣用呼称 ホスフィナイト) (phophinite)
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P(V) | - ホスフィナート (慣用呼称 ホスフィネート) (phosphinate)
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3つのP-C結合 | |
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P-N結合 | 1つのP-N結合 | |
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2つのP-N結合 | P(III) | - ホスホロジアミダイト (Phosphorodiamidite)
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P(V) | |
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3つのP-N結合 | |
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P-C結合とP-N結合 | 1つのP-C結合と1つのP-N結合 | P(V) | - ホスホノアミダート (慣用呼称 ホスホノアミデート) (Phosphonamidate)
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1つのP-C結合と2つのP-N結合 | |
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2つのP-C結合と1つのP-N結合 | |
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P-S結合 | 1つのP-S結合 | P(III) | - ホスホロチオアイト (Phosphorothioite)
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P(V) | |
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2つのP-S結合 | P(III) | - ホスホロジチオアイト (Phosphorodithioite)
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P(V) | |
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