ロワイヤリュー賞
ロワイヤリュー賞 Prix de Royallieu | |
---|---|
開催国 | フランス |
主催者 | フランスギャロ |
競馬場 | パリロンシャン競馬場 |
創設 | 1897年 |
2024年の情報 | |
距離 | 芝2800メートル(2019年-) |
格付け | G1(2019年-) |
賞金 | 賞金総額30万ユーロ(2019年-) |
出走条件 | サラブレッド3歳以上牝馬 |
負担重量 | 定量(3歳56Kg、4歳以上59kg) |
出典 | [1] |
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ロワイヤリュー賞(ロワイヤリューしょう、仏: Prix de Royallieu)は、フランスギャロがパリロンシャン競馬場の芝2800メートルで施行する競馬のG1競走(国際競走)である。牝馬限定戦として凱旋門賞ウィークエンドにおいて凱旋門賞の前日に行なわれる。
概要
競走名となったロワイヤリューとは19世紀後半にフレデリック・ラグランジュ(フランス語版)伯爵[† 1]の育成牧場があったコンピエーニュ近郊にある森林地域に対する呼称のことである[2]。
1897年に3歳以上の重賞競走として創設され、ロンシャン競馬場の芝3000メートルで10月下旬に施行された。1922年から距離を短縮したうえで3歳牝馬限定に変更となる。それ以降の変更は施行距離の小幅なものと1965年の古馬開放にとどまっている。長年パリロンシャン競馬場の秋開催に組み込まれており、1988年から凱旋門賞の前日に開催されることとなった。ヨーロッパにおけるステイヤー血統の維持を目的として、2019年からグループ1に昇格し距離も2800メートルに延長されている[2]。
有名な勝ち馬としてはトリリオン(英語版)[† 2] (1977年) 、ダリヤカナ(英語版)[† 3] (2009年) 、アナプルナ (2019年) 、ワンダフルトゥナイト (2020年) 、ラヴィングドリーム(英語版) (2021年) が挙げられる[3]。
歴史
- 1897年 3歳以上の馬による重賞競走ロワイヤリュー賞として創設、ロンシャン競馬場の芝3000メートルで施行[2]。
- 1922年 出力条件を3歳牝馬に限定、施行距離を芝2600メートルに短縮[2]。
- 1939年 - 1940年 第二次世界大戦の影響により中止[4]。
- 1941年 - 1942年 ル・トランブレー競馬場の芝2500メートルで代替開催[4]。
- 1943年 ロンシャン競馬場の芝2600メートルに戻る[4]。
- 1965年 出走条件を3歳以上に変更[2]。
- 1971年 グループ制導入に伴いG3に格付け[3]。
- 1972年 施行距離を芝2500メートルに短縮[3]。
- 1988年 施行時期を凱旋門賞の前日(原則10月第1週土曜日)に移行し、G2へ格上げ[3]。
- 2012年 賞金総額が13万ユーロから25万ユーロに増額。
- 2013年 1位入線のシャルネッタ (Chalnetta) が進路妨害により2着降着、被害馬だった2位入線のエビーザ (Ebiyza) が繰り上がり優勝[5]。
- 2016年 - 2017年
- 2019年 G1に昇格し、施行距離も芝2500メートルから芝2800メートルに延長[2]。
歴代優勝馬
※1979年以降の優勝馬を記載する。
回数 | 施行日 | 調教国・優勝馬 | 日本語読み | 性齢 | タイム | 優勝騎手 | 管理調教師 |
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第56回 | 1979年10月14日 | Sealy | シーリー | 牝3 | F.ヘッド | C.ヘッド | |
第57回 | 1980年10月12日 | Mariella | マリエラ | 牝3 | P.パケ(英語版) | F.ブータン(英語版) | |
第58回 | 1981年10月11日 | Don't Sulk | ドントサルク | 牝3 | P.パケ | F.ブータン | |
第59回 | 1982年10月10日 | Gipsy Road | ジプシーロード | 牝3 | C.アスムッセン | F.ブータン | |
第60回 | 1983年10月9日 | High Hawk | ハイホーク | 牝3 | W.カーソン | J.L.ダンロップ | |
第61回 | 1984年10月14日 | Euliya | エウリーヤ | 牝3 | Y.サンマルタン | A.ロワイエ=デュプレ | |
第62回 | 1985年10月13日 | Mersey | マージー[† 4] | 牝3 | E.ルグリ(英語版) | P.L.ビアンコーヌ(英語版) | |
第63回 | 1986年10月12日 | Sharaniya | シャラニヤ | 牝3 | Y.サンマルタン | A.ロワイエ=デュプレ | |
第64回 | 1987年10月11日 | Her Highness | ハーハイネス | 牝3 | R.ブライアード | G.ブリッジラン | |
第65回 | 1988年10月1日 | Summer Trip | サマートリップ | 牝3 | A.ジベール | J.フェローズ | |
第66回 | 1989年10月7日 | Passionaria | パッショナリア[† 5] | 牝3 | 2:38.9 | C.アスムッセン | J.ハモンド |
第67回 | 1990年10月6日 | Madame Dubois | マダムデュボワ | 牝3 | 2:42.6 | P.J.エデリー | H.セシル |
第68回 | 1991年10月5日 | Saganeca | サガネカ[† 6] | 牝3 | 2:41.9 | G.モッセ | A.スパヌー |
第69回 | 1992年10月3日 | Fabulous Hostess | ファビュラスホステス | 牝4 | 2:53.8 | O.ドゥルーズ | C.ヘッド |
第70回 | 1993年10月2日 | Halesia | アレジア | 牝4 | 2:49.0 | D.ブフ | E.ルルーシュ |
第71回 | 1994年10月1日 | Dalara | ダララ | 牝3 | 2:42.2 | G.モッセ | A.ロワイエ=デュプレ |
第72回 | 1995年9月30日 | Russian Snows | ラシャンスノーズ | 牝3 | 2:45.0 | M.キネーン | J.オックス(英語版) |
第73回 | 1996年10月5日 | Annaba | アナバ | 牝3 | 2:43.2 | L.デットーリ | J.ゴスデン |
第74回 | 1997年10月4日 | Tulipa | チューリパ | 牝4 | 2:39.4 | L.デットーリ | S.ビン・スルール |
第75回 | 1998年10月3日 | Lexa | レキサ | 牝4 | 2:44.8 | D.ブフ | H.ファン・ザウレン |
第76回 | 1999年10月2日 | Fairy Queen | フェアリークイーン | 牝3 | 3:03.8 | S.ギヨ (en) | S.ビン・スルール |
第77回 | 2000年9月30日 | Mouramara | ムラマラ | 牝3 | 2:37.5 | G.モッセ | J.オックス |
第78回 | 2001年10月6日 | Moon Queen | ムーンクイーン | 牝3 | 2:49.3 | L.デットーリ | J-C.ルジェ |
第79回 | 2002年10月5日 | Dance Routine | ダンスルーティン | 牝3 | 2:39.4 | C.スミヨン | A.ファーブル |
第80回 | 2003年10月4日 | Moon Search | ムーンサーチ | 牝4 | 2:48.6 | C.スミヨン | A.ファーブル |
第81回 | 2004年10月2日 | Samando | サマンド | 牝4 | 2:39.4 | S.パスキエ | F.ドゥーメン(英語版) |
第82回 | 2005年10月1日 | Oiseau Rare | ワゾーラール | 牝3 | 2:40.3 | C.スミヨン | A.ファーブル |
第83回 | 2006年9月30日 | Montare | モンターレ | 牝4 | 2:39.5 | O.ペリエ | J.ピース(英語版) |
第84回 | 2007年10月6日 | Anna Pavlova | アンナパヴロワ | 牝4 | 2:41.3 | L.デットーリ | R.フェイヒー |
第85回 | 2008年10月4日 | Balladeuse | バラドゥーズ | 牝3 | 2:38.3 | O.ペリエ | A.ファーブル |
第86回 | 2009年10月3日 | Daryakana | ダリヤカナ | 牝3 | 2:38.4 | G.モッセ | A.ロワイエ=デュプレ |
第87回 | 2010年10月2日 | Maria Royal | マリアロワイヤル | 牝3 | 2:49.6 | G.モッセ | A.ロワイエ=デュプレ |
第88回 | 2011年10月1日 | Sea of Heartbreak | シーオブハートブレイク | 牝4 | 2:53.90 | O.ペリエ | R.チャールトン(英語版) |
第89回 | 2012年10月6日 | Dalkala | ダルカラ | 牝3 | 2:57.04 | C.ルメール | A.ロワイエ=デュプレ |
第90回 | 2013年10月5日 | Ebiyza | エビーザ | 牝3 | 2:44.17 | C.ルメール | A.ロワイエ=デュプレ |
第91回 | 2014年10月4日 | Frine | フリン | 牝4 | 2:37.29 | G.モッセ | C.ラフォン=パリアス |
第92回 | 2015年10月3日 | Candarliya | カンダルリヤ | 牝3 | 2:37.05 | C.スミヨン | A.ロワイエ=デュプレ |
第93回 | 2016年10月1日 | The Juliet Rose | ザジュリエットローズ | 牝3 | 2:31.14 | S.パスキエ | N.クレメント |
第94回 | 2017年9月30日 | The Juliet Rose | ザジュリエットローズ | 牝4 | 2:35.55 | S.パスキエ | N.クレメント |
第95回 | 2018年10月6日 | Princess Yaiza | プリンセスヤイザ | 牝3 | 2:43.87 | A.アッゼニ | G.クロムウェル |
第96回 | 2019年10月5日 | Anapurna | アナプルナ | 牝3 | 3:10.98 | L.デットーリ | J.ゴスデン |
第97回 | 2020年10月3日 | Wonderful Tonight | ワンダフルトゥナイト | 牝3 | 3:11.22 | T.ピッコーネ | D.ムニュイジエ |
第98回 | 2021年10月2日 | Loving Dream | ラヴィングドリーム | 牝3 | 3:09.67 | L.デットーリ | J.ゴスデン & T.ゴスデン(英語版) |
第99回 | 2022年10月1日 | Sea La Rosa | シーラローサ | 牝4 | 3:13.76 | T.マーカンド | W.ハガス(英語版) |
第100回 | 2023年9月30日 | Sea Silk Road | シーシルクロード | 牝4 | 2:57.06 | A.ルメートル | W.ハガス |
日本人騎手の成績
日本調教馬以外での調教成績
回数 | 施行日 | 騎乗馬名 | 性齢 | 騎手名 | 管理調教師 | 頭数 | 着順 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
第71回 | 1994年10月1日 | Royal Ballerina(ロイヤルバレリーナ) | 牝4 | 武豊 | M.Kauntze | 11頭 | 4着 |
第76回 | 1999年10月2日 | Moteck(モテック)[† 7] | 牝4 | 武豊 | E.ルルーシュ | 11頭 | 8着 |
第78回 | 2001年10月6日 | Beyond The Waves | 牝4 | 武豊 | J.ピース | 9頭 | 8着 |
第99回 | 2022年10月1日 | Perotan | 牝3 | 武豊 | A.P.オブライエン | 10頭 | 6着 |
記録
- 最多優勝騎手 - 6勝
- ジェラルド・モッセ (1991年、1994年、2000年、2009年、2010年、2014年)[3]
- ランフランコ・デットーリ (1996年、1997年、2001年、2007年、2019年、2021年)[3]
- 最多勝調教師 - 8勝 アラン・ド・ロワイエ=デュプレ(1984年、1986年、1994年、2009年、2010年、2012年、2013年、2015年)[3]
脚注
注釈
- ^ グラディアトゥールのオーナーブリーダーとして有名。
- ^ ネルソン・バンカー・ハントの生産および所有馬、本競走の後でガネー賞やフォワ賞にも優勝した。
- ^ アーガー・ハーン4世の所有馬、無敗の4連勝でこの競走に挑み初重賞制覇した後、次走の香港ヴァーズも優勝している。
- ^ 欧州遠征中のシリウスシンボリが出走したロワイヤルオーク賞とフォワ賞における優勝馬。
- ^ 後に繁殖牝馬として日本に輸入された。代表産駒はフサイチソニック。
- ^ 1984年凱旋門賞勝馬サガスの仔にして1998年凱旋門賞勝馬サガミックスの母。
- ^ 1999年フロール賞(G3)優勝馬、吉田照哉が本競走より前に買取り馬主となった。後に日本で繁殖牝馬となる。代表産駒はサンテミリオン。
出典
- ^ 国際競馬統括機関連盟、競走詳細
- ^ a b c d e f g フランスギャロ、ロワイヤリュー賞の歴史(2021年)
- ^ a b c d e f g h レーシングアンドスポーツ、ロワイヤリュー賞の歴史(2023年)
- ^ a b c フランスギャロ、ロワイヤリュー賞の歴史(2013年)
- ^ JBISサーチ、エビーザ
各回競走結果の出典
- フランスギャロ より
- “14/10/1979 PRIX ROYALLIEU” (フランス語). フランスギャロ. 2024年5月15日閲覧。
- “12/10/1980 PRIX DE ROYALLIEU” (フランス語). フランスギャロ. 2024年5月15日閲覧。
- “11/10/1981 PRIX DE ROYALLIEU” (フランス語). フランスギャロ. 2024年5月15日閲覧。
- “10/10/1982 PRIX DE ROYALLIEU” (フランス語). フランスギャロ. 2024年5月15日閲覧。
- “09/10/1983 PRIX DE ROYALLIEU” (フランス語). フランスギャロ. 2024年5月15日閲覧。
- “14/10/1984 PRIX DE ROYALLIEU” (フランス語). フランスギャロ. 2024年5月15日閲覧。
- “13/10/1985 PRIX DE ROYALLIEU” (フランス語). フランスギャロ. 2024年5月15日閲覧。
- “12/10/1986 PRIX DE ROYALLIEU” (フランス語). フランスギャロ. 2024年5月15日閲覧。
- “11/10/1987 PRIX DE ROYALLIEU” (フランス語). フランスギャロ. 2024年5月15日閲覧。
- “01/10/1988 CIGA PRIX DE ROYALLIEU” (フランス語). フランスギャロ. 2024年5月15日閲覧。
- レーシング・ポスト より
- 1989, 1990, 1991, 1992, 1993, 1994, 1995, 1996, 1997, 1998, 1999, 2000, 2001, 2002, 2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2008, 2009, 2010, 2011, 2012, 2013, 2014, 2015, 2016, 2017, 2018, 2019, 2020, 2021, 2022, 2023
参考文献
- “競走詳細:ロワイヤリュー賞(2024年)” (英語). 国際競馬統括機関連盟. 2024年5月15日閲覧。
- “france-galop.com ロワイヤリュー賞の歴史” (英語). フランスギャロ (1988年5月15日). 2013年10月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年10月20日閲覧。
- “ロワイヤリュー賞の歴史(2021年)” (フランス語). フランスギャロ (2021年9月28日). 2024年5月15日閲覧。
- “ロワイヤリュー賞の歴史(2023年)” (英語). RACING AND SPORTS (2023年9月26日). 2024年5月15日閲覧。
- “2013 ロンジン 香港国際競走 現地取材レポート(エビーザ)”. JBISサーチ (2013年12月6日). 2024年5月15日閲覧。
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