京都国際中学校・高等学校
京都国際中学高等学校 | |
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北緯34度58分32.2秒 東経135度46分50.6秒 / 北緯34.975611度 東経135.780722度 / 34.975611; 135.780722座標: 北緯34度58分32.2秒 東経135度46分50.6秒 / 北緯34.975611度 東経135.780722度 / 34.975611; 135.780722 | |
過去の名称 | 京都韓国中学・高等科 |
国公私立の別 | 私立学校 |
設置者 | 学校法人京都国際学園 |
理念 | 自尊・練磨・共生 |
設立年月日 | 1947年 |
共学・別学 | 男女共学 |
中高一貫教育 | 併設型 |
課程 | 全日制課程 |
単位制・学年制 | 学年制 |
設置学科 | 普通科 |
学科内専門コース | 進学コース・総合コース |
学期 | 3学期制 |
学校コード | C126310000248 (中学校) D126310000399 (高等学校) |
高校コード | 26542A |
所在地 | 〒605-0978 |
外部リンク | 公式ウェブサイト |
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京都国際中学高等学校(きょうとこくさいちゅうがくこうとうがっこう)は、京都府京都市東山区今熊野本多山町にある私立学校。学校法人京都国際学園が運営する中高一貫の中等教育学校である。
同校の前身は在日韓国人向けの民族学校であり、2004年度より一般へ門戸が開かれた。
現在でも朝鮮語科目の教育を実践し、日本国と大韓民国の両国から正規の学校として認可されている[1][2][3]。近年では野球の強豪校としても知られる[4]。
概要
成立
京都国際中学高等学校の発祥は、1947年(昭和22年)に開校した在日朝鮮人(のちに在日韓国人)[注釈 1]向けの民族学校である「京都朝鮮中学」であった[1]。
その後、1958年に学校法人「京都韓国学園」として京都府知事の認可を受けた[1]。
そして2003年に学校法人「京都国際学園」および「京都国際中学高等学校」を設置し、京都府知事の認可による『一条校(いわゆる普通の中学校および高等学校)』として成立した。翌2004年に開校し、再スタートを切った[1]。
以来、国際学校としての特色を強め朝鮮語と英語と日本語のトリリンガルを目ざす語学教育を強化して「真の国際人育成」を教育目標としている[1]。
特徴
日本の一条校であると同時に、大韓民国(韓国)からも正規の学校として認可されているため、日韓両国から高等学校の卒業資格(大学等への受験資格)が得られる[1]。
校歌の歌詞が朝鮮語からなることも、日本の一条校としては非常に珍しい[5][6]。詳細は後述。
なお、一条校であるため教育課程は日本の学習指導要領に則っており、全ての授業で検定済み教科書を用いた日本語での教育が行われる(ただしネイティブ教員による英語や朝鮮語の科目を除く)。
生徒
生徒数は1学年約45人。生徒向けの寮があり[1]、全国からの生徒や留学生も在籍している。
2019年春には卒業生のうち38名が日本の大学や専門学校へ進学し、2名が韓国の大学へ留学した(慶熙大学へ1名、瑞逸大学へ1名)[1]。
生徒の内訳としては、2021年3月時点で全校131名のうち日本人が93名、在日韓国人が37名であった[7]。また、日本人生徒のうち40名が野球部員であった[7]。
また2021年7月時点では全校136名のうち女子が69名、男子が67名、男子のうち59名が野球部員であった[8]。
部活動
部活動では高等部の野球部が実力を高めており[4]、2021年には春の甲子園大会および夏の甲子園大会に連続出場した[5][3]。後者では全国ベスト4を達成した[9]。
教育方針
教育理念
「自尊」「練磨」「共生」を教育の根本とし、次の3理念をもとに「世界で活躍する真の国際人の育成」を目指す[1]。
- 自尊:自らの出自や存在に誇りを持てる人になる
- 練磨:自己の可能性を切り開き、共に自己練磨に勤しめる人になる
- 共生:国際人として人権を尊び、異文化を正しく理解し共に生きる人になる
教育目標
「人間味あふれる、真の国際人へ」という標語を掲げ、以下の5項目に重点を置いている[1]。
沿革
- 1947年:京都朝鮮中学が開校[1]。
- 1951年:財団法人「東邦学院」を設立し、「東邦学院中学校」と改称[1]。
- 1958年:学校法人「京都韓国学園」を設立し、京都府知事に認可される。「京都韓国中学」と改称[1]。
- 1961年:大韓民国政府が中等科を認可[1]。
- 1965年:大韓民国政府が高等科を認可[1]。
- 1984年:本田山キャンパスが完成し、京都府京都市東山区今熊野本多山町1番地に移転[1]。
- 1999年:硬式野球部を創部。コンピューターコースと進学コースを設置[1]。
- 2001年:学校寮が完成[1]。
- 2003年:学校法人「京都国際学園」を設立。「京都国際中学高等学校」と改称して全日制普通科を設置する。一条校として京都府知事に認可される[1]。
- 2004年:京都国際中学高等学校として開校[1]。
- 2008年:中高一貫コース・進学コース・総合コースの3コースを設置[1]。
- 2021年:硬式野球部が3月に第93回選抜高等学校野球大会に出場。8月に第103回全国高等学校野球選手権大会に出場[1]。
野球部
近年は硬式野球の強豪校として知られ、プロ野球選手を多く輩出している[4]。2021年には春の甲子園大会および夏の甲子園大会に連続出場した[5][3]。
なお、野球部員は2021年3月時点で40名全員が日本国籍であった[5][7]。
創設
当時の校名は「京都韓国学園」で、在日韓国人向けの外国人学校として『各種学校』扱いであった[11]。同年、外国人学校としては初めて日本高等学校野球連盟(高野連)への加入が認められた[7]。
校歌
歌詞の冒頭を日本語に翻訳すると、「東海を 越えてきた 大和の地は……」と始まる[4]。
甲子園大会での議論
同校硬式野球部が2021年の春の甲子園大会および夏の甲子園大会に出場した際、同大会で演奏された校歌が朝鮮語であることが話題になった[5]。
日本国内では、「多様性や国際化を象徴している」「日韓の関係改善に繋がる」などと好意的な意見がみられた[5]一方で、「韓国の学校が出場するのはおかしい」「韓国語の校歌が演奏されることに違和感がある」などという否定的な意見もみられた[7][12]。
歌詞の「東海」に関する議論
特に、その歌詞に「동해(漢字:東海,トンヘ)」という名詞が含まれていることについて日本国内で議論があった[6]。
「동해(トンヘ)」とは日本語に訳すと「東海」であり、これは「日本海」の韓国における呼称である(韓国(朝鮮半島)にとって東側の海であることから)。
大韓民国政府は同海の呼称を国際的に「東海」として認知させることを目指して政治的ロビー活動を行っており、日本国政府はこれを批判している[13]。このことから日韓両国の外交問題となっている(詳細は日本海呼称問題を参照)。
「東の海」への修正
しかし、この2021年の2大会で同校歌が実際に演奏された際には、中継映像においてハングルとその日本語訳が併記され、「동해」の日本語訳として一般的な「東海」ではなく「東の海」(朝:동쪽 바다)と表示されていた。その画面には「日本語訳は学校から提出されたものです」との言葉も添えられた[6]。
また、「한국의 학원(漢字:韓國의 學園または學院)」についても直訳した「韓国の学園」または「韓国の学院」ではなく「韓日(韓国と日本)の学び舎」と表記された。
これらの表記は、歌詞が政治問題化することを避けるための配慮と考えられる[14]。
日本のSNS上などでは様々な意見が交わされ、同校のホームページへはアクセスが集中して一時的に閲覧が困難となった[14]。
この対応について、テレビ放送を行ったNHK大阪放送局とインターネット放送を行った毎日放送はいずれも「学校側から提出された歌詞を使った」と説明した。一方、読売新聞の報道によれば、同校は「こちらから日本語訳を出したことはない」と説明したという。また同選抜大会の事務局は「校歌について放送局や学校と協議したということはない」とした[6]。
学校側の反応
2021年春の時点で、同校には大会前から校歌に対する意見や採用経緯を確認する電話が相次いだという[14]。
これに対して当時の教頭が「さまざまなご意見を頂きました」とした上で次のように語り、今後には校歌を変更する可能性があることを示唆したとの報道もあった[14]。
これからは我々も柔軟に変わっていくことが、今いる生徒やこれから入ってくる子供たちにとって一番いいことだと考えています。 いろんな意見を集約して、近い将来、校歌を変えたほうがより良い学校運営につながるのであれば、今の子供たちに合った新しい校歌を作る考えがあります。
同校教員らの間では「校歌問題に派生する無用な攻撃から生徒を守り、勉学や部活動に専念できる環境を整えるべき」という意見も強いという。ある学校関係者は「プロ野球選手になりたい、甲子園に出たいと思って入ってくる生徒もいる。今を生きる生徒に創立当初の理念を背負わせる必要はない」と語った[14]。
生徒側の反応
2021年3月時点で野球部員は全員が日本国籍であった[5]。
同年春の甲子園大会での1回戦勝利後、主将の山口は「勝った喜びがこみ上げてきた」と話し[5]、殊勲打を記録した中川は「気持ちよく歌えました」と語った[14]。
設置校
- 高等学校
- 中学校
設置学科
- 普通科(高等学校)
- 総合コース
- 進学コース
著名な出身者
プロ野球選手
- 申成鉉(広島東洋カープ → KBO:斗山ベアーズ)[15]
- 荒木治丞(KBO:高揚ワンダーズ → LGツインズ)[16]
- 曽根海成(福岡ソフトバンクホークス → 広島東洋カープ)[17]
- 清水陸哉(福岡ソフトバンクホークス)[18]
- 上野響平(北海道日本ハムファイターズ → オリックス・バファローズ)[19]
- 釣寿生(オリックス・バファローズ)[20]
- 早真之介(福岡ソフトバンクホークス)[21]
- 中川勇斗(阪神タイガース)[22]
- 森下瑠大(横浜DeNAベイスターズ)[23]
- 杉原望来(広島東洋カープ)[24]
著名な教職員・関係者
- 小牧憲継(同校硬式野球部監督)
交通アクセス
鉄道
JR奈良線/京阪本線 東福寺駅下車 徒歩18分 (通学登校時、スクールバスあり)[1]
バス
京都市営バス(202・207・208) 東福寺バス停下車 徒歩15分[1]
脚注
注釈
- ^ 当時は大韓民国が成立していなかったため、現代でいう韓国人(大韓民国の国籍)と朝鮮人(朝鮮民主主義人民共和国の国籍)との区別がなく、朝鮮民族(韓民族)の人はみな「朝鮮人」と呼称された。
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x “学校紹介”. 京都国際中学高等学校. 学校法人 京都国際学園. 2021年8月25日閲覧。
- ^ “【夏の甲子園】京都国際が初8強入り センバツに続いて校歌流れ…韓国メディア大盛り上がり”. 東京スポーツ. (2021年8月25日). https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/81960 2021年8月26日閲覧。
- ^ a b c “京都国際高校、在日韓国系学校で初めて甲子園ベスト8進出 慣例通り韓国語校歌響く”. 朝鮮日報. (2021年8月25日). http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/08/25/2021082580004.html 2021年8月26日閲覧。
- ^ a b c d “京都国際校歌、韓国語歌詞でNHKがテロップで対応”. 産経新聞. (2021年8月19日). https://www.sankei.com/article/20210819-4ZMKQ3WQEBKKTBIIR7U5NSHKXE/ 2021年8月26日閲覧。
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- ^ 室井昌也 (2020年3月24日). “京都国際高からカープ入りした韓国人選手 母校の甲子園初出場に「誇らしい」”. Yahoo! ニュース. https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/918bdc76fb11ea9f569b7b438d8f86f52cc04514 2021年8月26日閲覧。
- ^ 室井昌也 (2017年11月28日). “波瀾万丈のある野球選手の半生 夢に向けて日韓を渡り歩いた荒木治丞”. スポーツナビ. https://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201711270007-spnavi 2021年8月26日閲覧。
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- ^ “オリックス育成4位京都国際・釣「早く支配下に」”. 日刊スポーツ. (2020年11月10日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/202011100000575.html 2021年8月26日閲覧。
- ^ “ソフトバンク育成4位は京都国際高・早真之介 ポテンシャル&姿勢評価”. 西日本スポーツ. (2020年10月26日). https://www.nishinippon.co.jp/nsp/item/n/658224/ 2021年8月26日閲覧。
- ^ “阪神ドラ7・中川「侍ジャパンの正捕手になります」 矢野監督も元気の良さに感心”. スポニチアネックス. (2021年12月13日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2021/12/13/kiji/20211213s00001173395000c.html?amp=1 2022年11月15日閲覧。
- ^ “【DeNA】4位森下瑠大が入団合意「真っすぐだけでも抑えられる投手に」憧れは今永昇太”. 日刊スポーツ (2022年11月10日). 2022年11月10日閲覧。
- ^ “広島・育成3位の杉原望来『だんじり魂』ではい上がる 「岸和田シニア」の先輩・清原和博さんに「すごい方」:中日スポーツ・東京中日スポーツ”. 中日スポーツ・東京中日スポーツ. 2023年12月18日閲覧。
関連項目
- 京都府高等学校一覧
- 京都府中学校一覧
- 東京韓国学校、コリア国際学園 - 韓国学校(韓国の在外教育機関であるが、日本の一条校ではない。)
- 青丘学院つくば中学校・高等学校、建国幼稚園・小学校・中学校・高等学校、大阪金剛インターナショナル小学校・中学校・高等学校 - 教育基本法に基づく一条校であると同時に、韓国の在外教育機関である。
外部リンク
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