彼方に

彼方に
The After
監督 ミサン・ハリマン(英語版)
脚本 ジョン・ジュリアス・シュヴァバッハ
原案 ミサン・ハリマン
製作
出演者
  • デヴィッド・オイェロウォ
  • ジェシカ・プラマー(英語版)
音楽 フランチェスコ・ル・メートル
撮影 シ・ベル
編集 アゲラ・デスポティドゥ
製作会社
  • ネオン・フィルム
  • ヨルバ・サクソン・プロダクションズ
配給 Netflix
公開 アメリカ合衆国の旗 2023年8月10日 (HSFF(英語版))
世界の旗 2023年10月25日 (配信)
上映時間 18分
製作国 イギリスの旗 イギリス
言語 英語
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彼方に』(かなたに、The After)は、ジョン・ジュリアス・シュヴァバッハ脚本、ミサン・ハリマン(英語版)監督による2023年のイギリスの短編映画である。デヴィッド・オイェロウォジェシカ・プラマー(英語版)が出演するこの映画は、家族を凶悪犯罪で失って悲しみに暮れるドライバーのダヨがとある乗客を拾ったことで過去と向き合い始める物語である[1]

ホーリーショーツ映画祭(英語版)では実写短編映画賞を受賞した。また第96回アカデミー賞短編映画賞にノミネートされた[2][3]

プロット

ロンドンで企業重役をしているダヨは幼い娘のローラと妻に会う。彼が電話をするためにわずかに2人から離れた瞬間、連続刺殺犯人が現れて娘が殺される。ダヨはなんとか犯人を制圧するが、錯乱した妻は飛び降りて死亡する。それからしばらくした後、ダヨはタクシー運転手となり、友人やソーシャルワーカーとの連絡を拒絶する。彼は仕事の合間に家族の写真にむかって「ハッピー・バースデー」を歌うなどして悲観に暮れつつ、様々な客を乗せてストイックに運転手を続ける。彼は空港から喧嘩の絶えない夫婦とその娘を迎えに行く。手荷物を運ぶために車から降りた彼は娘からハグされる。それに反応したダヨは縁石の上で泣き崩れる。

キャスト

  • ダヨ - デヴィッド・オイェロウォ
  • アマンダ - ジェシカ・プラマー(英語版)
  • スチュワート - スーレー・リミ
  • エミリー - イズカ・ホイル(英語版)
  • ローラ - アメリー・ドクボ
  • レベッカ - エレン・フランシス

製作

ミサン・ハリマン(英語版)は自身のアイデアを基に原案を書き、それをジョン・ジュリアス・シュヴァバッハが脚本化した。デヴィッド・オイェロウォブラック・ライヴズ・マター運動中にハリマンが撮影した写真を見たことをきっかけにキャストと製作チームに加わった[1]。またニッキー・ベンサム(ドイツ語版)もハリマンとの出会いをきっかけにプロデューサーとして加わった[4]

公開

プレミア上映は2023年8月10日にホーリーショーツ映画祭(英語版)の開幕初夜に行われた[5]

2023年10月5日に2023年BFIロンドン映画祭(英語版)でも上映された[6]

2023年10月25日よりNetflixで配信開始された[7][8]

サウンドトラック

『The After』
フランチェスコ・ル・メートルサウンドトラック
リリース
録音 2023年
時間
レーベル Netflixミュージック
音楽・音声外部リンク
The After (Original Score)
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アルバム6トラック:
#タイトル作詞作曲・編曲アーティスト時間
1.「Day Out」  フランチェスコ・ル・メートル
2.「No More Family」  フランチェスコ・ル・メートル
3.「The After」  フランチェスコ・ル・メートル
4.「Journeys」  フランチェスコ・ル・メートル
5.「Flashbacks」  フランチェスコ・ル・メートル
6.「Breakdown」  フランチェスコ・ル・メートル
合計時間:

評価

評論家のジェイソン・ナイトは5点満点中4点を与え、「素晴らしいエスタブリッシング・ショットがいくつか存在する」、「背景に声が響く場面では製作者たちは音に工夫を凝らしている」と技術的な面を賞賛した。ナイトはまた音楽も気に入っており、「サウンドトラックに関しては、フランチェスコ・ル・メートルがセンチメンタルなピアノのメロディを含む音楽を展開している」と評した。最後に彼は「感情的でハードなドラマであり、素晴らしい演技と素晴らしいキャラクター開発があり、喪失と悲しみの影響による心理的な悪化が探求されている」と論じた[10]

Leisurebyteのリヤ・サインは「『彼方に』は、かつて全てを手に入れていた男が今は生きながらえる世界にとどまるという、美しくもメランコリックな物語である」と評した。さらに彼女は「これはわずか18分で長編映画1本分の人生を送らせてくれる物語だ」と語った[11]

受賞とノミネート

『彼方に』の受賞とノミネート
発表日 部門 対象 結果 参照
ホーリーショーツ映画祭(英語版) 2023年8月20日 実写短編映画賞 『彼方に』 受賞 [12]
アストラ映画賞(英語版) 2024年1月6日 短編映画賞 受賞 [13]
アフリカン・アメリカン映画批評家協会賞(英語版) 2024年1月15日 短編映画賞 受賞 [14]
アカデミー賞 2024年3月10日 実写短編映画賞 未決定 [15]
NAACPイメージ・アワード 2024年3月16日(英語版) 短編映画賞 (実写) 未決定 [16]

参考文献

  1. ^ a b Tyler Coates (2023年12月19日). “Netflix Short ‘The After’ Depicts a Shocking Tragedy and a Father’s Grief” (英語). Hollywood Reporter. 2024年2月12日閲覧。
  2. ^ Stephanie Simon (2024年1月24日). “Short film 'The After' gets nominated for 2024 Oscar Awards” (英語). Voice of Nigeria. 2024年2月12日閲覧。
  3. ^ “2024 Oscars Nominations: See the Full List” (英語). Academy of Motion Picture Arts and Sciences (2024年1月23日). 2024年2月12日閲覧。
  4. ^ Prestridge, James PRESTRIDGE (2023年10月4日). “Producer Nicky Bentham On The Award-Winning Short Film The After” (英語). Close-up Culture. 2024年2月13日閲覧。
  5. ^ Carey, Matthew (2023年8月21日). “Oscar-Qualifying HollyShorts Film Festival Hands Out Awards; ‘We Were Meant To’ Claims $60K Prize” (英語). Deadline. 2024年2月12日閲覧。
  6. ^ “Big Little Lives: The After” (英語). BFI (2023年10月5日). 2024年2月13日閲覧。
  7. ^ Robinson, Jacob (2023年10月3日). “British Short Film The After is Coming to Netflix in October 2023”. What's on Netflix. 2024年2月12日閲覧。
  8. ^ “United Kingdom Short Film The After is Coming to Netflix on 25 October 2023”. Netflix Media Center (2023年10月3日). 2024年2月13日閲覧。
  9. ^ “The After (Original Soundtrack from the Netflix Film) - EP”. Apple Music. 2024年2月12日閲覧。
  10. ^ Jason Knight (2023年10月3日). “The After Film Review” (英語). UK Film Review. 2024年2月12日閲覧。
  11. ^ Riya Singh (2023年10月25日). “The After Review: Suppressed Emotions and a Life That Goes On” (英語). Leisurebyte. 2024年2月12日閲覧。
  12. ^ Pond, Steve (2023年8月20日). “‘We Were Meant To’ Wins Top Award From HollyShorts Film Festival (Exclusive)” (英語). The Wrap. 2024年2月12日閲覧。
  13. ^ Scott Feinberg (2024年1月7日). “Astra Film Awards: ‘Barbie’ Wins Eight Awards, Including Best Picture” (英語). Hollywood Reporter. 2024年2月13日閲覧。
  14. ^ Tyler Coates (2024年1月15日). “African American Film Critics Awards: ‘American Fiction,’ ‘The Color Purple’ and ‘Origin’ Top Winners” (英語). Hollywood Reporter. 2024年2月12日閲覧。
  15. ^ “Oscar Nominations 2024: ‘Oppenheimer’ Dominates With 13 Nods, ‘Poor Things’ Follows With 11” (英語). Variety (2024年1月23日). 2024年2月12日閲覧。
  16. ^ Hipes, Patrick (2024年1月25日). “Colman Domingo, Keke Palmer, Ayo Edebiri, Victoria Monét Lead NAACP Image Awards Nominations”. Deadline Hollywood. 2024年2月13日閲覧。

外部リンク