片田舎のおっさん、剣聖になる 〜ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件〜

『片田舎のおっさん、剣聖になる 〜ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件〜』（かたいなかのおっさんけんせいになる ただのいなかのけんじゅつしはんだったのにたいせいしたでしたちがおれをほうってくれないけん）は、佐賀崎しげるによる日本のライトノベル。Webサイト「小説家になろう」にて2020年11月17日より連載されており^[2]、書籍版はSQEXノベル（スクウェア・エニックス）より 2020年11月から刊行されている。イラストは鍋島テツヒロ。

後述のコミカライズ版も含めて、シリーズ累計発行部数は550万部を突破している^[3]。

片田舎の道場で剣術の師範をしているベリルのもとに、首都で王国騎士団の団長となったかつての教え子・アリューシアが来訪し、ベリルが騎士団の特別指南役に指名されたことを伝える。ベリルは自身に大役が務まるか不安に思っており、騎士団員もベリルの実力に疑問を感じていたが、副団長であるヘンブリッツとの勝負に勝利したことで、周囲にも彼の実力が浸透していく。

魔法師団に入った弟子・フィッセルと再会した夜、フィッセルを襲ったと話す少女と戦闘することになるが、実はそれは噂を聞いてベリルの実力を確かめようとしていた魔法師団長・ルーシーであった。その後、冒険者ギルドの最高ランクである弟子・スレナに頼まれ若手パーティに護衛として同行する。その最中、協力なモンスターに襲われるが、ベリルとスレナの活躍により討伐し、ギルドは騒動となる。

ベリル・ガーデナント

片田舎の道場で剣術の師範をしている中年。自身のことを「しがないおっさん」と自嘲するがその実力は高く、都では「片田舎の剣聖」と呼ばれる^[4][5]。アリューシアに頼まれ騎士団の指南役に就任^[4]。魔術学院の剣魔法科でも定期的な指導をするようになる。

剣に限定すれば地元で手に入る一般的な剣（バルデル曰く「手入れは良くされているが、業物とも言えないレベルの剣」）で巻藁を水平に落とすことなく斬ったり、ルーシーの魔術を剣技とその場の機転で凌いだりするなど卓越したセンスを持つ。そんな達人なのに自己評価が低い理由は、先代師範である父親に一度も勝ったことがないまま腰を痛めて引退されてしまったから。

アリューシア・シトラス

ベリルの弟子で、「神速」の二つ名を持つレベリス王国の騎士団長^[4]。幼いころからベリルの実力を高く評価し、彼に実力にふさわしい舞台で活躍してもらうことを目標としている。

1人前になった際にベリルから剣を贈られるが、アリューシアは騎士団長となった今もその剣を使っている。

スレナ・リサンデラ

ベリルの弟子で、ブラック級（冒険者ギルド最高ランク）の実力者^[4]。親を亡くした孤児で、里親が見つかるまでベリルの世話になっていた。両手に持った剣で間断なく斬撃を繰り出す双剣使い。自ら討伐した竜の素材から作られた自己再生が可能な剣を使う。ベリルと共に討伐したネームドモンスター「ゼノ・グレイブル」の素材からベリルの剣を作ることをバルデルに依頼する。

クルニ・クルーシエル

ベリルの弟子で、騎士団のムードメーカー^[4]。女子としても小柄な身体ながら膂力に優れ、相手の間合いの内側に入る超接近戦を得意としていたが、騎士団内の鍛錬で「リーチの差を利用して距離を取られる」といった対策を取られたことで行き詰っていた。ベリルのアドバイスで得物をロングソードから間合いを変えやすいツヴァイヘンダー（両手剣）に替えた。

ヘンブリッツ・ドラウト

副団長。クルニ以上に膂力に優れ、「轟剣」の二つ名を持つ騎士。当初は自嘲するばかりのベリルを訝しがっていたが、直接模擬戦を行ったことで見直す。

フィッセル・ハーベラー

ベリルの弟子で、剣魔法を操る魔法師団のエース^[4]。

秘剣カーテナで、ロノ・アンブロシアの影を吹き飛ばした。

ルーシー・ダイアモンド

フィッセルの魔術の師匠で、魔法師団の団長^[4]。年齢不詳で見た目は幼い少女にしか見えない。同時に三つの魔術を行使するなど、魔術に関しては並ぶ者がいない人物。

バルデル・ガスプ

鍛冶師。ベリルの弟子で、すでに中年と言って良い年齢だがクルニやフィッセルと同期。鍛冶師としての修行中に剣を使う技術も学ぼうと道場に通っていた。スレナからの依頼もあってベリル用の新しい剣を鍛つ。道場にいた時からベリルがその腕に相応しい剣を使えばどこまで行けるかと考えており、スレナからの依頼もあってベリルのためにネームドモンスターの素材を使った剣を鍛つ。

鍛冶師としての能力も高く、握手をするだけで相手の剣の傾向や体調も察することが出来、漫画版では剣士によって異なるイメージを観ることが出来る。

ミュイ・フレイア

魔力持ちの少女。唯一の肉親だった姉を失い孤児となるが「蘇生の奇跡が使える奴」を知っていると騙る悪党の下でスリをしていた。ベリルの金を抜こうとしたことを切っ掛けに保護される。魔力持ちであるためルーシーの口利きもあって魔術学院に入学。剣魔法を選択しベリルの指導を受けるようになる。

モルデア・ガーデナント

ベリルの父親。息子を厳しく育てるが、逆に自己評価が低くなってしまったことを気にしている。アリューシアによって特別指南役に選ばれたことを利用して道場から追い出す形で送り出す。また、孫の顔を見ることを諦めておらず嫁取りもベリルに要求している。

ランドリド

ベリルの弟子で、プラチナム級（冒険者ギルド3位ランク）の冒険者。結婚しており、子が生まれたことを機に冒険者を引退。モルデアの配慮で、ベリルの代理として道場を任される。本来なら2位のオーシャン級になれる実力はあったが、手柄を譲ってしまうことが多かったと言われる。

スフェン教

レベリス王国でも広く信仰され、隣国の「スフェンドヤードパニア」の国教とされている。その教えはかつて実在した剣士を「神の現身」として神格化したもので、身体強化魔術や回復魔術が神の奇跡として扱われている。教会騎士団は刺突剣を装備している。

魔法、魔術

本作では魔力によって引き起こされる現象（「ネームド（名付き）」と呼ばれるモンスターの能力や奇跡・神秘の類も含む）を魔法と呼び、それらを解析し人の魔力で再現したものを魔術と呼ぶ。よっていわゆる「魔法使い」は存在せず、魔術師と呼ばれている。

• 佐賀崎しげる（著）・鍋島テツヒロ（イラスト） 『片田舎のおっさん、剣聖になる 〜ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件〜』、既刊7巻（2024年1月6日現在）
  1. 2021年4月7日発売^[6]、ISBN 978-4-7575-7190-7
  2. 2021年9月7日発売^[7]、ISBN 978-4-7575-7462-5
  3. 2022年2月7日発売^[8]、ISBN 978-4-7575-7732-9
  4. 2022年7月7日発売^[9]、ISBN 978-4-7575-8022-0
  5. 2022年12月7日発売^[10]、ISBN 978-4-7575-8300-9
  6. 2023年6月7日発売^[11]、ISBN 978-4-7575-8605-5
  7. 2024年1月6日発売^[12]、ISBN 978-4-7575-8997-1

乍藤和樹の作画により、電子雑誌『どこでもヤングチャンピオン』（秋田書店）にて2021年9月号より連載中^[13]。

2023年5月には、「ピッコマAWARD 2023」のマンガ部門を受賞^[14]。また、2024年1月末の時点で、電子版を含めたコミックス版のみの累計発行部数は400万部を突破している^[15][16]。2024年、「全国書店員が選んだおすすめコミック2024」にて13位を獲得^[17]。

• 佐賀崎しげる・鍋島テツヒロ（原作）、乍藤和樹（漫画） 『片田舎のおっさん、剣聖になる〜ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件〜』 秋田書店〈ヤングチャンピオンコミックス〉、既刊5巻（2024年1月26日現在）
  1. 2022年2月18日発売^[18]、ISBN 978-4-253-30691-1
  2. 2022年6月20日発売^[19]、ISBN 978-4-253-30692-8
  3. 2023年3月20日発売^[20]、ISBN 978-4-253-30693-5
  4. 2023年8月24日発売^[21]、ISBN 978-4-253-30694-2
  5. 2024年1月26日発売^[22][15]、ISBN 978-4-253-30695-9

『片田舎のおっさん、剣聖になる』のタイトルで、2025年4月よりテレビ朝日系列『IMAnimation』枠ほかにて放送予定^[3]。

• 原作 - 佐賀崎しげる、鍋島テツヒロ^[3]
• 監督 - 鹿住朗生^[3]
• シリーズ構成 - 岡田邦彦^[3]
• キャラクターデザイン・総作画監督 - 早坂皐月^[3]
• 音楽 - 高梨康治^[3]
• アニメーション制作 - パッショーネ、ハヤブサフィルム^[3]

• 片田舎のおっさん、剣聖になる 〜ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件〜 - 小説家になろう
• 片田舎のおっさん、剣聖になる　〜ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件〜 - 小説 SQEXノベル | SQUARE ENIX
• テレビアニメ「片田舎のおっさん、剣聖になる」公式サイト
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