覆瓦構造

曖昧さ回避 インリケーションとは異なります。
小規模のインブリケーション
令和元年東日本台風多摩川中流河川敷で見られたインブリケーション。流向は画像右から左。

覆瓦構造ふくがこうぞう(覆瓦状構造・インブリケーション英語: imbrication)とは、河川などが起こす流れによって、底面にある岩石や化石などが、流向を向くことである。

概要

一般に水流などが存在する場所で発生しうる普遍的な現象である。古地形学や堆積学において、覆瓦構造は水流が無いと出来ない[1]ため、そこに水流が存在した十分な証拠となる。地球でなくとも発生するため、火星においても観測された。[2]

画像外部リンク
津波に流された車が作る覆瓦構造 - 「Massive earthquake hits Japan」より

流向を向く対象は岩石に限らず、2011年に発生した東日本大震災において、那珂港の船に積載される前の車が津波によって流された際には、覆瓦構造が見られた。[3]

成因

覆瓦構造は、流体中における物体が、最小の抵抗を得ようとして形成される。また、そのような状態は力学的に安定[4]のため、そのままほぼ場所の変化をしない。

脚注

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  1. ^ 地球上では水の他に十分な覆瓦構造を作り出すありふれた物質がほとんど無い
  2. ^ 横川美和「堆積粒子の配列が語るもの(<特集>堆積過程に対応した地層解読をめざして(2))」『地球科学』第52巻第5号、地学団体研究会、1998年、370-377頁、doi:10.15080/agcjchikyukagaku.52.5_370、2019年8月27日閲覧 
  3. ^ “津波で大量の車が「覆瓦状構造」になった画像”. WIRED (2011年3月30日). 2019年8月27日閲覧。
  4. ^ “天神のページ : 覆瓦構造”. 浜島書店 (2012年1月22日). 2019年8月27日閲覧。

関連項目

  • 漣痕 - 水流などによって形成される
  • 火炎構造 - 水流の下流方向を推測可能な堆積構造

外部リンク

  • インブリケーションのでき方 - 埼玉県嵐山町web博覧誌
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