HM7B |
原開発国 | フランス |
---|
初飛行 | 1979年12月24日 |
---|
設計者 | スネクマ |
---|
開発企業 | スネクマ |
---|
目的 | 上段エンジン |
---|
搭載 | ESA |
---|
前身 | HM4 |
---|
後継 | Vinci |
---|
現況 | 運用中 |
---|
液体燃料 |
---|
構成 |
---|
ノズル比 | 83.1 |
---|
性能 |
---|
推力 (vac.) | 64.8 kN (14,570 lbf) |
---|
燃焼室圧力 | 37 bar |
---|
Isp (vac.) | 446 s (4.37 km/s) |
---|
寸法 |
---|
全長 | 2.10 m |
---|
直径 | 0.99 m |
---|
乾燥重量 | 165 kg |
---|
使用 |
---|
|
リファレンス |
---|
出典 | [1] [2] |
---|
HM7BはESAのアリアンVロケットの上段であるアリアン 5 ECA 、 ESC-Aに搭載されている欧州宇宙機関初の液体水素と液体酸素を推進剤とするガス発生器サイクルのロケットエンジンである[2]。アリアン5用の上段エンジンであるVinciによって置き換えられる予定である[3]。現時点で既に300基近くが生産された[2]。
歴史
HM7エンジンは1979年、HM4を元にアリアン1の3段目に搭載する目的で開発が開始された。初飛行は1979年12月24日でCAT-1衛星の軌道投入に成功した。アリアン2、アリアン3の導入では上段エンジンの性能を高めなければならなかった。エンジンノズルを延長して燃焼室の圧力を30から35 barに高めることで比推力を高め、燃焼時間を 570から735秒間に延長した。認証試験は1983年に完了して改良型はHM7Bとして分類された。HM7Bはアリアン2、アリアン3と同様にアリアン4の3段目に燃焼時間を780秒に延長して搭載された。2002年、最初のECA版がアリアン5で初めて使用されたが1段目から分離する前に打ち上げは失敗した。2005年2月12日、HM7Bは初めてアリアン5ECAの上段として作動した[1]。 低温エンジンへの切り替えは応答性が良く、アリアン5 ECAは従来のアリアン5Gより積載量が増えた。HM7、HM7Bエンジンファミリーはアリアン1~4での使用で5回失敗している。現時点ではフライトV70はHM7Bの最後の失敗である[4]。
概要
HM7Bはガス発生器サイクルの液体水素と液体酸素を推進剤とするロケットエンジンである。再着火機能を持たない。アリアン5では連続950秒作動する(アリアン4では780秒である)。推力は62.7kNで比推力は444.2秒である。燃焼圧力は3.5MPaである[1]。
各国のエンジンの比較
主要諸元一覧 | RL-10 | HM7B | Vinci | KVD-1 | CE-7.5 | CE-20 | YF-75 | RD-0146 | ES-702 | ES-1001 | LE-5 | LE-5A | LE-5B |
燃焼サイクル | エキスパンダーサイクル | ガス発生器サイクル | エキスパンダーサイクル | 二段燃焼サイクル | ガス発生器サイクル | ガス発生器サイクル | ガス発生器サイクル | エキスパンダーサイクル | ガス発生器サイクル | ガス発生器サイクル | ガス発生器サイクル | エキスパンダブリードサイクル (ノズルエキスパンダ) | エキスパンダブリードサイクル (チャンバエキスパンダ) |
真空中推力 | 66.7 kN (15,000 lbf) | 62.7 kN | 180 kN | 69.6 kN | 73 kN | 200 kN | 78.45 kN | 98.1 kN (22,054 lbf) | 68.6kN (7.0 tf)[5] | 98kN (10.0 tf)[6] | 102.9kN (10.5 tf) | r121.5kN (12.4 tf) | 137.2kN (14 tf) |
混合比 | | | | | | | | | 5.2 | 6.0 | 5.5 | 5 | 5 |
膨張比 | 40 | | | | | 100 | | | 40 | 40 | 140 | 130 | 110 |
真空中比推力 (秒) | 433 | 444.2 | 465 | 462 | 454 | 443 | 437 | 463 | 425[7] | 425[8] | 450 | 452 | 447 |
燃焼圧力 MPa | 2.35 | 3.5 | 6.1 | 5.6 | 5.8 | 6.0 | 3.68 | 7.74 | 2.45 | 3.51 | 3.65 | 3.98 | 3.58 |
LH2ターボポンプ回転数 min-1 | | | | | | | | 125,000 | 41,000 | 46,310 | 50,000 | 51,000 | 52,000 |
LOXターボポンプ回転数 min-1 | | | | | | | | | 16,680 | 21,080 | 16,000 | 17,000 | 18,000 |
全長 m | 1.73 | 1.8 | 2.2-4.2 | 2.14 | 2.14 | | 1.5 | 2.2 | | | 2.68 | 2.69 | 2.79 |
質量 kg | 135 | 165 | 280 | 282 | 435 | 558 | 550 | 242 | 255.8 | 259.4[9] | 255 | 248 | 285 |
参考
類似のエンジン
出典
- “HM7B - Summary”. SPACEandTECH. 2006年12月3日閲覧。
- “HM7B - Specifications”. SPACEandTECH. 2006年12月3日閲覧。
- “Snecma Moteurs: HM7B, a proven upper-spage engine”. Le Webmag - The SAFRAN Group online magazine (2005年2月14日). 2006年12月3日閲覧。
- “SPACE PROPULSION” (PDF). Snecma. 2006年12月3日閲覧。
- ^ a b c Airbus Air and Defence. “HM-7 and HM-7B Rocket Engine - Thrust Chamber”. 2014年8月10日閲覧。
- ^ a b c Snecma S.A.. “HM7B - Snecma”. 2013年4月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年8月10日閲覧。
- ^ Safran Group (2012年12月). “Safran: Shooting for the StarS”. 2014年8月10日閲覧。
- ^ “Die Oberstufen H-8, H-10 und ESC-A” (German). Bernd Leitenbergers Web Site. 2007年2月17日閲覧。
- ^ 開口比40のノズルスカートを未装着時の推力は48.52kN (4.9 tf)
- ^ 開口比40のノズルスカートを未装着時の推力は66.64kN (6.8 tf)
- ^ 開口比40のノズルスカートを未装着時の比推力は286.8
- ^ 開口比40のノズルスカートを未装着時の比推力は291.6
- ^ 計算値
外部リンク
- Cryotechnics - Laboratoire de Chimie industrielle - Université de Liège - Liège - Belgique
|
---|
液体燃料 | | |
---|
固体燃料 | ブースター | |
---|
下段・中段ロケット | - S-138
- S-139
- S-7
- SR118
- SR119
- SR120
- キャスター120
- オライオン50
|
---|
上段ロケット | |
---|
|
---|
原子力推進 | |
---|
小推力 エンジン | |
---|
関連項目 | |
---|
エンジン サイクル | |
---|