Summer of 85 (映画)

曖昧さ回避 2018年カナダ映画サマー・オブ・84」とは異なります。
Summer of 85
Été 85
監督 フランソワ・オゾン
脚本 フランソワ・オゾン
原作 エイダン・チェンバーズ
『おれの墓で踊れ』
製作 エリック・アルトメイヤー
ニコラス・アルトメイヤー
出演者 フェリックス・ルフェーヴル(フランス語版)
バンジャマン・ヴォワザン(フランス語版)
フィリッピーヌ・ヴェルジュ
ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ
メルヴィル・プポー
イザベル・ナンティ(フランス語版)
音楽 ジャン=ブノワ・ドゥンケル(フランス語版)
撮影 イシャーム・アラウィエ(フランス語版)
編集 ロール・ガルデット(フランス語版)
製作会社 マンダリン・プロダクション(フランス語版)
FOZ
フランス2シネマ
Playtime
Scope Pictures
配給 フランスの旗 Diaphana Distribution
日本の旗 フラッグ クロックワークス
公開 フランスの旗 2020年7月14日
日本の旗 2021年8月20日
上映時間 101分
製作国 フランスの旗 フランス
ベルギーの旗 ベルギー
言語 フランス語
興行収入 フランスの旗 $3,057,115[1][2]
世界の旗 $3,722,399[3]
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Summer of 85』(サマー オブ エイティファイブ、Été 85)は、2020年フランスベルギー青春恋愛映画。監督・脚本はフランソワ・オゾン、出演はフェリックス・ルフェーヴル(フランス語版)バンジャマン・ヴォワザン(フランス語版)など。エイダン・チェンバーズの小説『おれの墓で踊れ(英語版)』の一部を原作とし、運命的な出会いを果たした二人の少年の初めての恋と永遠の別れを描いている。

ストーリー

1985年の夏、死に惹かれる文学青年アレックス(16歳、アレクシが本名)はセーリングの最中にヨットが転覆し海に投げ出されるが、近くを通りかかったユダヤ人ダヴィド(18歳)に救助される。その後ダヴィドの家に招かれ、彼の母親であるゴーマン夫人の歓迎を受けた。間もなく、アレックスはゴーマン夫人の店で働くことになる。アレックスとダヴィドの2人は徐々に仲を深め、親友以上の関係となり、肉体関係まで持つに至った。アレックスはダヴィドから「どちらかが先に死んだら、残された方はその墓の上で踊る」ことを提案される。困惑したものの、アレックスは承諾する。その後、2人は海でアレックスの知り合いのイギリス人ケイトに出会う。3人はダヴィドの船でセーリングをするが、目の前でケイトを口説くダヴィドを見て、アレックスは不快だった。翌日、店番中に帰ってきたダヴィドを責め、感情的になって店を飛び出した。やがてダヴィドが店を飛び出したアレックスを追って、バイク事故で死亡したことを知る。ゴーモン夫人はダヴィドを責め、葬儀への参列も許さなかった。アレックスはダヴィドの遺体を一目見たいと思うようになる。そのためケイトと和解し、彼女の力を借りて女装し、ダヴィドの生前の彼女という体で遺体安置所に入らせてもらった。そこでダヴィドの亡骸に飛びつき、そのまま逃走した。また、アレックスはダヴィドの約束を果たすため、真夜中にユダヤ人墓地に向かい、ダヴィドの墓の上で踊る。そして墓を損壊した罪で現行犯逮捕され、裁判を受けることになる。担当の社会福祉士は墓の上で踊るという異様な行為の背景を知るため、アレックスの両親や彼を嘱望していたルフェーブル先生に聞き取り調査を行う。ルフェーブル先生はアレックスに、裁判のためにも自分自身のためにも、ダヴィドとの関係を文章で表現することを提案する。アレックスはダヴィドとの6週間の思い出を書き上げた。こうして墓の上で踊ったのが故人との約束に基づくことが裁判官に理解される。裁判では社会奉仕活動を命じられる。


映画では、拘留から裁判までの場面とダヴィドが生きていた時点の回想とが交互に現れる構成となっている。

キャスト

  • アレックス・ロバン: フェリックス・ルフェーヴル(フランス語版)
  • ダヴィド・ゴーマン: バンジャマン・ヴォワザン(フランス語版)
  • ケイト: フィリッピーヌ・ヴェルジュ
  • ゴーマン夫人: ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ - ダヴィドの母。
  • ルフェーヴル先生: メルヴィル・プポー - アレックスの文学の先生。
  • ロバン夫人: イザベル・ナンティ(フランス語版) - アレックスの母。

作品の評価

映画批評家によるレビュー

アロシネによれば、フランスの33のメディアによる評価の平均点は5点満点中3.9点である[4]Rotten Tomatoesによれば、99件の評論のうち高評価は81%にあたる80件で、平均点は10点満点中6.5点、批評家の一致した見解は「フランソワ・オゾンの最高傑作ではないが、『Summer of 85』は10代の恋とその容易に癒えることのない後遺症に対する魅惑的でほろ苦い頌歌としての役目を果たしている。」となっている[5]Metacriticによれば、24件の評論のうち、高評価は16件、賛否混在は7件、低評価は1件で、平均点は100点満点中65点となっている[6]

受賞歴

日付 部門 対象 結果 出典
カンヌ国際映画祭 2020年 オフィシャルセレクション 『Summer of 85』 [7]
トロント国際映画祭 2020年9月 スペシャル・プレゼンテーション 『Summer of 85』 [8]
サン・セバスティアン国際映画祭 2020年9月26日 最優秀映画賞 『Summer of 85』 ノミネート [9]
セバスティアヌ賞 『Summer of 85』 ノミネート [10]
シカゴ国際映画祭 2020年10月 Q Hugo Award 『Summer of 85』 ノミネート [11]
ローマ国際映画祭 2020年10月25日 BNL People’s Choice Award 『Summer of 85』 受賞 [12]
釜山国際映画祭 2020年10月 Open Cinema 『Summer of 85』
Vienna International Film Festival 2020年 Official Selection 『Summer of 85』
CINEMANIA Francophone Film Festival 2020年 Official Selection 『Summer of 85』
Taipei Golden Horse Film Festival 2020年 Viva Auteur 『Summer of 85』
ストックホルム国際映画祭 2020年 Open Zone 『Summer of 85』
International Film Festival & Awards Macao 2020年12月 World Panorama 『Summer of 85』 [13]
Hainan Island IFF 2020年12月 World Cinema 『Summer of 85』
ヨーロッパ映画賞 2020年12月 監督賞 フランソワ・オゾン ノミネート [14]
Feature Film Selection 『Summer of 85』
セザール賞 2021年3月12日(フランス語版) 作品賞 フランソワ・オゾン、ニコラス・アルトメイヤー、エリック・アルトメイヤー ノミネート [15]
監督賞 フランソワ・オゾン
有望若手男優賞(フランス語版) フェリックス・ルフェーヴル(フランス語版)バンジャマン・ヴォワザン(フランス語版)
助演女優賞(フランス語版) ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ
脚色賞(フランス語版) フランソワ・オゾン
編集賞(フランス語版) ロール・ガルデット(フランス語版)
撮影賞(フランス語版) イシャーム・アラウィエ(フランス語版)
音楽賞(フランス語版) ジャン=ブノワ・ドゥンケル(フランス語版)
高校生のセザール賞(フランス語版) フランソワ・オゾン、ニコラス・アルトメイヤー、エリック・アルトメイヤー
音響賞(フランス語版) ブリジット・テイランディエ(フランス語版)、ジュリアン・ロイグ、ジャン=ポール・ユリエ(フランス語版)
衣装デザイン賞(フランス語版) パスカリーヌ・シャバンヌ(フランス語版)
美術賞(フランス語版) ブノワ・バルー(フランス語版)

出典

  1. ^ “Eté 85 (Summer of 85) (2020)” (フランス語). JPBox-Office. 2022年7月22日閲覧。
  2. ^ Summer of 85” (英語). Box Office Mojo. 2022年7月22日閲覧。
  3. ^ Été 85” (英語). The Numbers. 2022年7月22日閲覧。
  4. ^ “Critiques Presse pour le film Eté 85” (フランス語). AlloCiné. 2022年7月22日閲覧。
  5. ^ "Summer of 85". Rotten Tomatoes (英語). 2022年7月22日閲覧
  6. ^ "Summer of 85" (英語). Metacritic. 2022年7月22日閲覧。
  7. ^ “ETE 85” (英語). Festival de Cannes. 2021年3月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月14日閲覧。
  8. ^ “Summer of 85” (英語). TIFF. 2021年4月14日閲覧。
  9. ^ “Sharunas Bartas, Naomi Kawase, François Ozon and Thomas Vinterberg to compete in the San Sebastian Festival’s Official Selection” (英語). San Sebastian Film Festival (2020年7月3日). 2021年4月14日閲覧。
  10. ^ “Six films compete for the XXI Sebastiane Award” (英語). San Sebastian Film Festival (2020年9月11日). 2021年4月14日閲覧。
  11. ^ “Out-Look Competition” (英語). Chicago International Film Festival. 2021年1月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月14日閲覧。
  12. ^ ““Été 85” by François Ozon wins the “BNL People’s Choice Award”” (英語). RomeFF15 (2020年10月25日). 2021年4月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月14日閲覧。
  13. ^ “Summer of 85” (英語). IFFAM 5th. 2021年4月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月14日閲覧。
  14. ^ “Summer of 85” (英語). The European Film Awards. 2021年4月14日閲覧。
  15. ^ “Été 85” (フランス語). César du cinéma français. 2021年4月14日閲覧。

外部リンク

1990年代
  • 海をみる(1996年)
  • ホームドラマ(1998年)
  • クリミナル・ラヴァーズ(フランス語版)(1999年)
2000年代
2010年代
2020年代
  • Summer of 85(2020年)
  • すべてうまくいきますように(フランス語版)(2021年)
  • 苦い涙(2022年)
  • 私がやりました(2023年)
短編
  • Photo de famille(1988年)
  • Les Doigts dans le ventre(1990年)
  • Mes parents un jour d'été(1990年)
  • Une goutte de sang(1991年)
  • Peau contre peau (les risques inutiles)(1991年)
  • Le Trou madame(1991年)
  • Deux plus un(1991年)
  • Thomas reconstitué(1992年)
  • Victor(1993年)
  • Une Rose entre nous(1994年)
  • アクション、ヴェリテ(1994年)
  • 小さな死(フランス語版)(1995年)
  • サマードレス(フランス語版)(1996年)
  • ベッドタイム・ストーリーズ(1997年)
  • X2000(1998年)
  • Un lever de rideau(2008年)
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