岡部怜央

 岡部怜央 四段
名前 岡部怜央
生年月日 (1999-04-08) 1999年4月8日(25歳)
プロ入り年月日 2022年4月1日(22歳)
棋士番号 331
出身地 山形県鶴岡市
所属 日本将棋連盟(関東)
師匠 加瀬純一七段
段位 四段
棋士DB 岡部怜央
2022年4月1日現在
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岡部 怜央(おかべ れお、1999年4月8日 - )は将棋棋士。加瀬純一七段門下。棋士番号は331。山形県鶴岡市出身。

棋歴

将棋を始めたきっかけは、小学1年生の頃に、2歳上の兄が祖父と指しているのを見て、自然に覚えた[1]

奨励会には12歳で入会。鶴岡から3~4時間かけて東京に行き、将棋を指して深夜バスで帰り、翌日は朝から学校に行くという生活だった[2]

三段リーグには第60回(2016年度下期)より参戦。5年間の三段生活は「とても厳しかった。昇段の可能性が消えたリーグはモチベーションを保つのに苦労した」と振り返るほど苦労していた[2]

3期目までは勝ち星が一桁に止まっていたが、4期目の第63回三段リーグでは13勝5敗の好成績を収めた。しかし、順位が上の山本博志と同じ成績だったため、あと1勝が足りずに4位で昇段を逃した。

10期目となった第69回三段リーグでは、4期目に次ぐ成績である12勝6敗の成績を収めるも、やはり昇段に届かず5位止まりであった。しかし、この成績による5位という高順位が、結果的に次期70回での昇段への足掛かりとなる(後述)[注釈 1]

11期目の第70回三段リーグ(2021年度下期)では11連勝をするなど好調を維持し、昇段は確定していなかったものの14勝2敗の暫定1位で最終日を迎えた。そのため、前期の成績による高順位(5位)の恩恵もあり、最終日では「2局の内1勝する」、又は「(2連敗の場合でも)昇段争いのライバルである徳田拳士が2連敗するか、片山史龍が1敗する」と昇段確定という、極めて有利な状況であった。結果、1局目は敗れたものの片山も同じく敗れたため、この時点での四段昇段が確定した(最終局は勝利したため、結果的に1位での昇段となった)[3]

プロ入り後

デビューとなった2022年度は第64期王位戦にて活躍。近藤誠也佐々木勇気佐藤康光といった強豪相手に5連勝して、王位リーグ入りを果たした(リーグ戦は白組にて1勝4敗での陥落に終わった)。

人物・エピソード

山形県出身のプロ棋士は阿部健治郎以来13年ぶり4人目[4](他の2人は飯田弘之北楯修哉)。

兄の岡部寛大も奨励会入りしたが、早く退会した。その後2015年の全国高等学校将棋選手権大会で優勝している[5][6]

対局の前日はサウナでコンディションを整えている。また、ポーカーをYoutubeで見るのにハマっている[2]

岡部の四段昇段は、師匠である加瀬純一門下としては16年ぶりとなる、4人目のプロ棋士誕生となった(同門下の女流棋士である加藤圭を加えると5人目)。16年ぶりのプロ入りという事もあり、師匠の加瀬は岡部が昇段した当日に、喜びと感謝の気持ちをTwitterに投稿した[7]

昇段履歴

昇段規定は、将棋の段級 を参照。

  • 2011年09月00日 : 6級 = 奨励会入会
  • 2016年04月03日 : 三段(第60回奨励会三段リーグ戦<2016年度後期>からリーグ参加)[8][9]
  • 2022年04月01日 : 四段(第70回奨励会三段リーグ成績1位)[10][11]

主な成績

在籍クラス

竜王戦と順位戦のクラスについては「将棋棋士の在籍クラス」を参照
順位戦・竜王戦の在籍クラスの年別一覧
開始
年度
(出典)順位戦
出典[12]
(出典)竜王戦
出典[13]
名人 A級 B級 C級 0 竜王 1組 2組 3組 4組 5組 6組 決勝
T
1組 2組 1組 2組
2022 81 C255 6-4 36 6組 -- 3-2
2023 82 C222 8-2 37 6組 --
2024 83 C205 38 (開始前)
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。
順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 )
順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。
竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。

年度別成績

公式棋戦成績
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2022 37 21 16 0.5675 [14]
2023 39 23 16 0.5897 [15]
(小計) 76 44 32 0.6470
通算 76 44 32 0.6470 [16]
2023年度まで

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 最終局の12勝目は、「勝てば昇段」の柵木幹太からの勝利であった。結果的に岡部が柵木の四段昇段を阻止した形となったが、柵木は3期後の第72回三段リーグでプロ入りを決めている。

出典

  1. ^ “「15勝3敗で頭ハネ(3位)の可能性も…」超激戦を勝ち抜いた“新人棋士”二人の共通点とは”. 文春オンライン (2022年4月1日). 2023年5月24日閲覧。
  2. ^ a b c “新たに棋士となる4名へ2022年度も「J:COM賞」を贈呈~ J:COMは将棋界を担う若手を応援します ~”. JCOM (2022年9月12日). 2023年5月24日閲覧。
  3. ^ “新四段誕生のお知らせ|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2022年3月12日). 2023年5月24日閲覧。
  4. ^ 「岡部さん(鶴岡出身)プロ棋士に」『山形新聞』2022年3月13日。
  5. ^ 遠山雄亮『「これからは藤井聡太竜王のライバルに」苦節16年、岡部怜央新四段に兄弟子からのエール』文春オンライン、2022年4月1日。https://bunshun.jp/articles/-/53079 
  6. ^ 『全国高等学校将棋選手権大会 歴代優勝者一覧』日本将棋連盟。https://www.shogi.or.jp/tournament/highschool/yuusyou.html 
  7. ^ “本日の奨励会三段リーグで、弟子の岡部玲央が四段に昇段致しました。” (2022年3月12日). 2023年5月24日閲覧。
  8. ^ 関東奨励会二段【2016年4月~2016年9月】
  9. ^ 第60回奨励会三段リーグ戦
  10. ^ “新四段誕生のお知らせ|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2022年3月12日). 2022年4月1日閲覧。
  11. ^ 第70回奨励会三段リーグ戦
  12. ^ “名人戦・順位戦”. 日本将棋連盟. 棋戦. 2023年12月2日閲覧。
  13. ^ “竜王戦”. 日本将棋連盟. 棋戦. 2023年12月2日閲覧。
  14. ^ [1][名無しリンク]
  15. ^ [2][名無しリンク]
  16. ^ [3][名無しリンク]

関連項目

外部リンク

  • 岡部怜央|棋士データベース|日本将棋連盟
日本将棋連盟所属棋士 (現役棋士 および 2024年度引退棋士)
タイトル
保持者
【九段 6名】
【七段 1名】

永世称号 襲位者0
永世称号 有資格者

九段
【26名】
八段
【33名】
七段
【44名】
六段
【27名】
五段
【20名】
四段
【15名】
2024年度
引退棋士
 九段  青野照市(2024年6月13日引退)
 八段  室岡克彦(2024年6月18日引退)
 八段  中座真(2024年6月19日引退)
 七段  伊奈祐介(2024年5月10日引退)
現役棋士 全172名(2024年7月23日時点、日本将棋連盟所属) / は2024年度の昇段 / 引退棋士の()は引退日 / 詳細は将棋棋士一覧を参照
第37期竜王戦ランキング戦
竜王
1組
(定員16名)
2組
(定員16名)
3組
(定員16名)
4組
(定員32名)
5組
(定員32名)
6組
(参加70名)
女流棋士
アマチュア
  • 慶田義法アマ
  • 竹内広也アマ
  • 小林康太郎アマ
  • 中川慧梧アマ
  • (出場4名)
奨励会員
次期から出場
★挑戦者 / △次期昇級 / ▼次期降級 / 初参加棋士(棋士として初参加) / 詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照。
名人
A級
B級1組
B級2組
C級1組
C級2組
フリー
クラス
宣言
棋戦限定
出場

2024年度
引退者

先頭の数字は順位(名人、フリークラス以外)/ フリークラスの数字は在籍可能残り年数(2024年度開始時点)
B級2組 - C級2組の * は降級点の数(B級2組・C級1組は降級点 2で降級、C級2組は降級点 3で降級)
詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照