竹内雄悟

 竹内雄悟 五段
名前 竹内雄悟
生年月日 (1987-12-17) 1987年12月17日(36歳)
プロ入り年月日 2013年4月1日(25歳)
棋士番号 292
出身地 広島県広島市
所属 日本将棋連盟(関西)
師匠 森信雄七段
段位 五段
棋士DB 竹内雄悟
2022年2月16日現在
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竹内 雄悟(たけうち ゆうご、1987年12月17日 - )は、将棋棋士。森信雄七段門下。棋士番号は292。広島市出身・大阪市在住[1]。奨励会二段時代までの名は大悟(だいご)。

棋歴

幼少期に母方祖父に教わり、将棋を覚えた[1]。本格的に将棋を始めたのは小学3年生のときで、その後は地元の広島将棋センターに通って腕を磨いた[2]広島観音高校在学中に、村山聖九段を偲んで広島で開催されている「怪童戦」を2連覇して注目を集める[2]

2004年9月、高校2年生の時に3級で奨励会に入会。同期入会者の中では2番目に年長であった。奨励会に入会したのは、将棋を全く知らない祖母から「そんなに将棋が好きだったらプロ目指してみないの?」と言われ、学校の勉強も好きではなかったことから「好きな将棋をして生きていけたら最高」と思ったのがきっかけ[2]

好不調の波があり、昇級・昇段に苦労したものの、2008年5月に三段に昇段。第44回(2008年度後期)より三段リーグに参加。ここでも好不調の波があり、第44回及び第49回(2010年度前期)ではあと1勝足りなければ降段点を喫するところだった。その一方で、第47回(2009年度前期)及び第50回(2010年度後期)では、最終局まで昇段争いに加わる活躍を見せる。

第47回では最終日2連勝すれば昇段であったが1戦目に敗れ、船江恒平と同星の13勝5敗も順位差で次点となった。(他同星に斎藤慎太郎宮本広志[3]

第50回では、最終日1戦目で順位上位者が敗れ自身が勝利したため、2戦目で宮本広志が敗れ自身が勝利すれば2度目の次点を得られる所であったが、宮本は敗れたものの自身も敗れ、12勝6敗の同星複数名で次点を逃す[4]

第52回(2012年度後期)は、最終2局を待たずに弟弟子の千田翔太の昇段が内定し、残る1枠を竹内を含む4人が5敗で並び争う混戦。竹内は前期の成績に基づく順位の関係から、自身が連勝し、かつ1名が2連敗、宮本広志と他1名が1敗以上しなければ昇段できない厳しい状況の中、2位で四段昇段を決めた[5]

プロデビュー後

2013年、初参加となる第72期順位戦では2勝8敗に終わり、初参加期順位戦における最少勝数の記録タイ(他に熊坂学長岡裕也横山友紀)に終わり、降級点を喫した[6]。これとは対照的に、第27期竜王戦6組ランキング戦では好成績を上げる。アマチュア選手・中田功・佐藤慎一・三枚堂達也を降し、準々決勝に進出。しかしそこで優勝する藤森哲也に敗れ、続く昇級者決定戦でも八代弥に敗れ、1期抜けでの5組昇級には至らなかった[7]

2014年、第86期棋聖戦では一次予選から勝ち上がり、二次予選では谷川浩司北浜健介を下して決勝トーナメント出場を決めた。(なお同トーナメント一回戦で、豊島将之に敗れる。)[8]

2016年、第29期竜王戦6組ランキング戦では田中寅彦星野良生・石川泰[注 1]を下し準決勝まで勝ち上がり中田功に敗れるも、昇級者決定戦決勝において勝ち上がってきた門倉啓太を破り、5組昇級を果たした。

2018年、第68回NHK杯戦の予選・決勝で桐山清澄に勝ち、本戦トーナメント初出場(1回戦で阿久津主税に敗退)。第4期叡王戦では四段予選を突破し、こちらでも本戦に初出場を果たす(1回戦で広瀬章人に敗退)。同年9月13日、第67期王座戦一次予選で船江恒平を破り、通算100勝達成。これにより五段に昇段した[9]

だがその2018年をピークに成績が下降し始め、特に2022年は年間勝率1割台の大不振に陥り順位戦では2つ目の降級点が付与される。そして翌年の第82期順位戦でも歯止めはかからず3つ目の降級点を喫し、36歳でフリークラス陥落となった。

棋風

変則的な将棋が特徴で、初手に5筋の歩を突いたり[注 2](ただし、竹内の場合、ここから先手中飛車にしない事もある)、割り打ち・両取りのリスクの多い飛車角の並ぶ5六飛・6六角型中飛車や、飛車玉の近い居玉四間飛車、地下鉄飛車といった力戦を得意としている。また、受けと粘りにも定評があり、穴熊玉が入玉する終盤など定跡にとらわれない力技を見せる。

人物

  • 将棋ファンの間では「ユーゴ先生」と改名後の名前で親しまれているが、棋士間の愛称は旧名の竹内大悟を略した「タケダイ」で、雄悟に改名後も、奨励会仲間や森一門、観戦記者などからは旧名の略称で呼ばれ続けている[10][出典無効]。竹内自身もtwitterで「takedai」を使用している[11][出典無効]
  • ネット上で「タケダイ詰将棋創作100日チャレンジ」を載せている。
  • おしゃれであり、対局及び記録係の際の服装もノータイ(いわゆるクールビズ)が多いなど、ファッションにこだわりと独自の美学を持っている。
  • 将棋を指す利き手は左であり、対局開始前には、盆と脇息の位置を反対に置き換える事が多い[12]
  • 2014年3月7日に、徳川家康公顕彰四百年記念事業第72期将棋名人戦第0局と題して、静岡県静岡市の「浮月楼」で行われた第72期順位戦最終局一斉対局において、谷川浩司深浦康市戦の記録係を担当した際も、ノータイ姿で対局場に現れたが、谷川に注意を受け、対局開始直前に着用した[13]
  • 2017年11月に結婚[14]。相手の詳細については、公表していない。2018年7月に女児が誕生[15]
  • 蕎麦アレルギーであり、含有食品には「必ず表示を義務づけて欲しい」と主張している[16][出典無効]。また、眼病も患っており、日常生活や対局にも辛い状況であったことを明かしている[17]
  • 宮本広志の将棋教室で子供教室を開講している[18]

昇段履歴

昇段規定は、将棋の段級 を参照。

  • 2004年09月00日 : 3級 = 奨励会入会
  • 2005年04月00日 : 2級
  • 2006年04月00日 : 1級
  • 2007年04月00日 : 初段
  • 2007年08月00日 : 二段
  • 2008年05月00日 : 三段(第44回奨励会三段リーグ<2008年度後期>からリーグ参加)
  • 2013年04月01日 : 四段(第52回奨励会三段リーグ成績2位) = プロ入り
  • 2018年09月13日 : 五段(勝数規定/公式戦100勝[9]

主な成績

在籍クラス

竜王戦と順位戦のクラスは、将棋棋士の在籍クラス を参照。

順位戦・竜王戦の在籍クラスの年別一覧
開始
年度
(出典)順位戦
出典[19]
(出典)竜王戦
出典[20]
名人 A級 B級 C級 0 竜王 1組 2組 3組 4組 5組 6組 決勝
T
1組 2組 1組 2組
2013 72 C246x 2-8 27 6組 -- 4-2
2014 73 C246* 6-4 28 6組 -- 2-2
2015 74 C218* 4-6 29 6組 -- 5-1
2016 75 C231* 4-6 30 5組 -- 2-2
2017 76 C217* 6-4 31 5組 -- 4-2
2018 77 C234* 6-4 32 5組 -- 2-2
2019 78 C215* 6-4 33 5組 -- 1-2
2020 79 C217* 3-7 34 5組 -- 3-2
2021 80 C240* 5-5 35 5組 -- 1-2
2022 81 C230*x 2-8 36 5組 -- 1-2
2023 82 C248**x 3-7 37 5組 --
2024 83 F編 38
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。
順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 )
順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。
竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。

年度別成績

公式棋戦成績
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2013 28 12 16 0.4285 [21]
2014 39 22 17 0.5641 [22]
2015 36 18 18 0.5000 [23]
2016 39 19 20 0.4871 [24]
2017 31 16 15 0.5161 [25]
2018 47 30 17 0.6382 [26]
2019 36 19 17 0.5277 [27]
2020 31 12 19 0.3870 [28]
2013-2020
(小計)
287 148 139
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2021 30 15 15 0.5000 [29]
2022 23 4 19 0.1739 [30]
2023 31 14 17 0.4516 [31]
2021-2023
(小計)
84 33 51
通算 371 181 190 0.4878 [32]
2023年度まで

出演

ウェブテレビ

  • 「藤井四段に『2度負けた男たち』の証言」(2017年6月14日、AbemaTV)[33][34]

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 奨励会員。年齢規定による三段リーグ退会で不戦敗となった。
  2. ^ 第7期加古川青流戦(2017.5.18)など。

出典

  1. ^ a b “竹内雄悟三段が新四段に|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2013年3月9日). 2017年10月31日閲覧。
  2. ^ a b c なぜ十六歳の竹内雄悟はプロ棋士になろうと思ったのか?【叡王戦24棋士 白鳥士郎 特別インタビュー vol.10】 - ニコニコニュースORIGINAL・2018年10月17日
  3. ^ “第47回奨励会三段リーグ戦”. 日本将棋連盟. 2017年10月31日閲覧。
  4. ^ “第50回奨励会三段リーグ戦”. 日本将棋連盟. 2017年10月31日閲覧。
  5. ^ “第52回奨励会三段リーグ戦”. 日本将棋連盟. 2017年10月31日閲覧。
  6. ^ “第72期名人戦・順位戦 C級2組”. 日本将棋連盟. 2017年10月31日閲覧。
  7. ^ “第27期竜王戦 6組ランキング戦”. 日本将棋連盟. 2017年10月31日閲覧。
  8. ^ “第86期棋聖戦決勝トーナメント”. 日本将棋連盟. 2017年10月31日閲覧。
  9. ^ a b 「竹内雄悟四段が五段に昇段|将棋ニュース|日本将棋連盟」『』。2018年9月14日閲覧。
  10. ^ twitter@shiinomi66「森一門豆知識」(2013.5.14)『ちだしょーとタケダイ』
  11. ^ 竹内雄悟twitter@takedai292 「将棋棋士の竹内雄悟です!」
  12. ^ 第42期棋王戦予選(対澤田真吾六段)・携帯中継(2016.3.17)
  13. ^ 第72期順位戦最終局ニコニコ生放送ほか
  14. ^ デイリースポーツ「将棋の竹内雄悟四段が結婚」(2017.11.7)ほか
  15. ^ 「竹内雄悟 on Twitter」『Twitter』。2018年9月14日閲覧。
  16. ^ Twitter@takedai292(2018年7月24日)
  17. ^ 竹内雄悟 @takedai292
  18. ^ 「竹内雄悟 on Twitter」『Twitter』。2018年9月14日閲覧。
  19. ^ “名人戦・順位戦”. 日本将棋連盟. 棋戦. 2023年12月2日閲覧。
  20. ^ “竜王戦”. 日本将棋連盟. 棋戦. 2023年12月2日閲覧。
  21. ^ [1][名無しリンク]
  22. ^ [2][名無しリンク]
  23. ^ [3][名無しリンク]
  24. ^ [4][名無しリンク]
  25. ^ [5][名無しリンク]
  26. ^ [6][名無しリンク]
  27. ^ [7][名無しリンク]
  28. ^ [8][名無しリンク]
  29. ^ [9][名無しリンク]
  30. ^ [10][名無しリンク]
  31. ^ [11][名無しリンク]
  32. ^ [12][名無しリンク]
  33. ^ “2度負けた棋士すら“ファン”にする藤井聡太四段の魅力 先輩3人が証言”. Abema TIMES (2017年6月14日). 2017年6月14日閲覧。
  34. ^ “将棋・藤井聡太四段、2度負けた棋士3人が座談会「マンガのような強さ」”. Abema TIMES (2017年6月14日). 2017年6月14日閲覧。

関連項目

外部リンク

  • 竹内雄悟|棋士データベース|日本将棋連盟
  • 竹内雄悟 (@takedai292) - X(旧Twitter)
日本将棋連盟所属棋士 (現役棋士 および 2024年度引退棋士)
タイトル
保持者
【九段 6名】
【七段 1名】

永世称号 襲位者0
永世称号 有資格者

九段
【26名】
八段
【33名】
七段
【44名】
六段
【27名】
五段
【20名】
四段
【15名】
2024年度
引退棋士
 九段  青野照市(2024年6月13日引退)
 八段  室岡克彦(2024年6月18日引退)
 八段  中座真(2024年6月19日引退)
 七段  伊奈祐介(2024年5月10日引退)
現役棋士 全172名(2024年7月23日時点、日本将棋連盟所属) / は2024年度の昇段 / 引退棋士の()は引退日 / 詳細は将棋棋士一覧を参照
第37期竜王戦ランキング戦
竜王
1組
(定員16名)
2組
(定員16名)
3組
(定員16名)
4組
(定員32名)
5組
(定員32名)
6組
(参加70名)
女流棋士
アマチュア
  • 慶田義法アマ
  • 竹内広也アマ
  • 小林康太郎アマ
  • 中川慧梧アマ
  • (出場4名)
奨励会員
次期から出場
★挑戦者 / △次期昇級 / ▼次期降級 / 初参加棋士(棋士として初参加) / 詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照。
名人
A級
B級1組
B級2組
C級1組
C級2組
フリー
クラス

宣言
棋戦限定
出場

2024年度
引退者

先頭の数字は順位(名人、フリークラス以外)/ フリークラスの数字は在籍可能残り年数(2024年度開始時点)
B級2組 - C級2組の * は降級点の数(B級2組・C級1組は降級点 2で降級、C級2組は降級点 3で降級)
詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照