近藤誠也

 近藤誠也 七段
名前 近藤誠也
生年月日 (1996-07-25) 1996年7月25日(28歳)
プロ入り年月日 2015年10月1日(19歳)
棋士番号 303
出身地 千葉県八千代市
所属 日本将棋連盟(関東)
師匠 所司和晴七段
段位 七段
棋士DB 近藤誠也
2020年3月12日現在
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近藤 誠也(こんどう せいや、1996年7月25日 - )は、日本将棋連盟所属の棋士。所司和晴七段門下。棋士番号は303。千葉県八千代市出身[1]

棋歴

プロ入り前

5歳の頃に祖父に将棋を教わったことをきっかけに、将棋を覚える[1]。小学1年の秋から、所司和晴が席主を務める将棋教室に通い始め、4歳年上の石井健太郎と共に研究に励み、小学3年生の頃からアマチュアの将棋大会で活躍し始めた[2]

2007年9月に、6級で奨励会に入会、14歳で二段に昇段してから三段昇段に2年を費やした以外は順調に昇段し、2013年度後期(第54回)より三段リーグに参加。当初2期は勝ち越しもままならなかったものの、2014年度後期(第56回)では他力ながらも四段昇段の可能性を残した状態で最終日を迎えた[注釈 1][3]。翌2015年度前期(第57回)では前半戦から連勝を続け、高野智史が暫定1位・近藤が暫定2位・石川泰が暫定3位(勝敗はいずれも12勝4敗)の状態で最終局面を迎え、近藤は石川との直接対決に敗れ暫定の順位が逆転したものの、次戦に勝ち、一方の石川は次戦で敗れたため、最終的に近藤がリーグ2位となり、四段に昇段した[4][1]

プロ入り後

プロ棋士としてのデビュー戦は2015年12月24日・第42期棋王戦で対局相手は加藤一二三最新参の棋士の公式戦初対局が現役最古参の棋士、年齢差56歳7か月・プロ棋士歴の年数差61年2か月という非常に珍しい対局となった[注釈 2](結果は近藤の勝ち)。

第66回(2016年度)NHK杯将棋トーナメント予選の決勝で野月浩貴七段に勝ち、初の予選参加にもかかわらず、本戦トーナメントに出場(2016年度の最初の放送となったが、1回戦で船江恒平五段に敗れた)。

第66期王将戦でも、初出場ながら一次予選から勝ち上がり、将棋界屈指の難関とされる王将リーグへの出場権を獲得。四段の棋士が同リーグに出場したのは第39期(1990年)の屋敷伸之以来27期ぶりの快挙であった。リーグでは前半戦の3連敗が響き陥落(最終成績は2勝4敗)してしまったものの、6回戦(最終局)で羽生善治を撃破する金星を挙げた。羽生はこの1敗により、王将のタイトル在位期間も含めて四半世紀に渡り在籍していた王将リーグから陥落することとなった。

2017年3月2日、第75期(2016年度)順位戦C級2組で小林健二に勝ち、9勝1敗でC級1組への昇級が決定。これに伴い五段へ昇段[5]

第30期(2017年度)竜王戦6組ランキング戦で決勝まで勝ち進み、5組への昇級を決めたものの、ランキング戦決勝で公式戦18連勝無敗中だった藤井聡太に敗れた[注釈 3]

第59期(2018年度)王位戦で予選を勝ち抜き、挑戦者決定リーグに進出。リーグ戦紅組では、同じ組となった羽生善治や谷川浩司に敗れる等で苦戦し、1勝4敗に終わった。第77期順位戦では、前期C級2組デビューから順位戦18連勝無敗中だった藤井聡太との一戦に勝利する等で最終的には9勝1敗の成績を挙げ、順位差でB級2組への昇級と六段への昇段を果たした[6]

第67期王座戦では初の挑戦者決定トーナメントまで進出したが、1回戦で羽生善治に敗れた[7]第32期竜王戦5組ランキング戦でランキング戦初優勝を決め、初の決勝トーナメント進出。1回戦で梶浦宏孝を退けるも[8]、2回戦で藤井聡太に敗れた[9]

第78期(2019年度)順位戦では、9回戦で直接の昇級争いの相手である横山泰明に敗れるが、その後横山が連敗、近藤が連勝となりB級1組への逆転昇級を決め七段への昇段を果たした[10]。B級2組以下の参加者が増加した近年は、短期間で上位クラスへ昇級することが難しくなっており、順位戦初参加から4期でのB級1組昇級は、1984年度第43期にB級1組昇級を決めた南芳一以来、35年ぶりであった[注釈 4]

第71期王将戦では、初年度以来となる挑戦者決定リーグに進出し、4勝2敗と初の残留を果たした。

棋風

  • 四段昇段のインタビューにおいて、得意戦法は矢倉。目標とする棋士には谷川浩司を挙げている[1]

人物

  • 趣味はプロ野球観戦。涌井秀章(現・中日ドラゴンズ)が在籍していた頃から西武ライオンズのファンであるという[11]
  • 奨励会時代に苗字が同じ近藤正和の記録係を務めたことがあり、その際、近藤正和には「君も近藤っていうんだ。」と声をかけられた。
  • 前項の通り、近藤姓の棋士が2人いるため、将棋ファンからは読みが同じ「誠也」と呼ばれる事がある[12]

昇段履歴

昇段規定については「将棋の段級」を参照
  • 2007年09月00日 : 6級 = 奨励会入会
  • 2010年11月00日 : 初段
  • 2012年12月00日 : 二段
  • 2013年05月00日 : 三段(第54回奨励会三段リーグ<2013年度後期>より三段リーグ参加)
  • 2015年10月01日 : 四段(第57回奨励会三段リーグ成績2位) = プロ入り[1]
  • 2017年03月02日 : 五段(順位戦C級1組昇級、通算51勝18敗)[5][13]
  • 2019年03月05日 : 六段(順位戦B級2組昇級、通算121勝48敗)[6][14]
  • 2020年03月11日 : 七段(順位戦B級1組昇級、通算151勝63敗)[10][15]

主な成績

在籍クラス

竜王戦と順位戦のクラスについては「将棋棋士の在籍クラス」を参照
順位戦・竜王戦の在籍クラスの年別一覧
開始
年度
(出典)順位戦
出典[16]
(出典)竜王戦
出典[17]
名人 A級 B級 C級 0 竜王 1組 2組 3組 4組 5組 6組 決勝
T
1組 2組 1組 2組
2015 74 四段昇段前 29 6組 -- 4-2
2016 75 C249 9-1 30 6組 -- 5-1
2017 76 C131 8-2 31 5組 -- 2-2
2018 77 C106 9-1 32 5組 6-1 5-0
2019 78 B221 8-2 33 4組 -- 6-1
2020 79 B113 7-5 34 3組 -- 3-2
2021 80 B105 5-7 35 3組 -- 2-2
2022 81 B109 8-4 36 3組 -- 3-1
2023 82 B103 7-5 37 2組 -- 0-2
2024 83 B103 38 3組 --
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。
順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 )
順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。
竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。

年度別成績

公式棋戦成績
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2015 11 8 3 0.7272 [1]
2016 60 44 16 0.7333 [2]
2017 50 35 15 0.7000 [3]
2018 52 37 15 0.7115 [4]
2019 43 27 16 0.6279 [5]
2020 42 28 14 0.6666 [6]
2015-2020
(小計)
258 179 79
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2021 52 36 16 0.6923 [7]
2022 47 27 20 0.5744 [8]
2023 37 18 19 0.4864 [9]
2021-2023
(小計)
136 81 55
通算 394 260 134 0.6598 [10]
2023年度まで

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 第56回では青嶋未来が最終日前にリーグ1位の昇段を決め、梶浦宏孝高野智史、近藤が同成績(11勝5敗)で最終日を迎え、近藤が連勝し、梶浦及び高野が1敗以上すれば近藤が昇段できたが、梶浦が連勝したためその可能性は消滅した。
  2. ^ ちょうど1年後の2016年12月24日には、史上最年少の14歳2か月でプロ棋士となった藤井聡太が、デビュー戦となる第30期竜王戦6組ランキング戦で加藤一二三と対局している。詳細は藤井聡太の項目を参照。
  3. ^ なお、藤井はこの後、公式戦歴代記録を更新する29連勝まで達成している。
  4. ^ 第79期では、藤井聡太が順位戦初参加から4期でのB級1組昇級を決めている。なお、藤井のB級1組昇級時における順位戦通算成績は、C級1組で近藤に敗れた以外は全局勝利の39勝1敗である。

出典

  1. ^ a b c d e “新四段誕生のお知らせ|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2015年9月5日). 2017年10月31日閲覧。
  2. ^ “第30回小学生将棋名人戦【代表選手一覧】”. www.shogi.or.jp. 2020年11月26日閲覧。
  3. ^ “第56回奨励会三段リーグ戦”. 日本将棋連盟. 2017年10月31日閲覧。
  4. ^ “第57回奨励会三段リーグ戦”. 日本将棋連盟. 2017年10月31日閲覧。
  5. ^ a b “近藤誠也四段が五段に昇段|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2017年3月3日). 2017年10月31日閲覧。
  6. ^ a b “近藤誠也五段が六段に昇段|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2019年3月6日). 2020年3月14日閲覧。
  7. ^ “羽生善治九段が近藤誠也六段に勝利、ベスト8進出 王座戦挑戦者決定トーナメント|棋戦トピックス|日本将棋連盟”. www.shogi.or.jp. 2019年6月28日閲覧。
  8. ^ “近藤誠也六段が梶浦宏孝四段に勝利 竜王戦決勝トーナメント|棋戦トピックス|日本将棋連盟”. www.shogi.or.jp. 2019年6月28日閲覧。
  9. ^ “藤井聡太七段が近藤誠也六段を破り勝ち進む 竜王戦決勝トーナメント|棋戦トピックス|日本将棋連盟”. www.shogi.or.jp. 2019年6月28日閲覧。
  10. ^ a b “近藤誠也六段が七段に昇段|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2019年3月12日). 2020年3月14日閲覧。
  11. ^ 【将棋】奨励会三段リーグで高野、近藤が新四段に「夢みたいです」 2015年9月5日20時21分 スポーツ報知
  12. ^ 「プロ棋士名鑑2016 (扶桑社)」、将棋連盟・携帯中継など
  13. ^ [出典無効]“通算成績|成績・ランキング|日本将棋連盟”. web.archive.org (2017年1月15日). 2024年7月17日閲覧。
  14. ^ [出典無効]“通算成績|成績・ランキング|日本将棋連盟”. web.archive.org (2019年3月5日). 2024年7月17日閲覧。
  15. ^ [出典無効]“通算成績|成績・ランキング|日本将棋連盟”. web.archive.org (2020年7月18日). 2024年7月17日閲覧。
  16. ^ “名人戦・順位戦”. 日本将棋連盟. 棋戦. 2023年12月2日閲覧。
  17. ^ “竜王戦”. 日本将棋連盟. 棋戦. 2023年12月2日閲覧。

関連項目

外部リンク

  • 近藤誠也|棋士データベース|日本将棋連盟
  • チーム渡辺 (@abT_watanabe) - X(旧Twitter)
日本将棋連盟所属棋士 (現役棋士 および 2024年度引退棋士)
タイトル
保持者
【九段 6名】
【七段 1名】

永世称号 襲位者0
永世称号 有資格者

九段
【26名】
八段
【33名】
七段
【44名】
六段
【27名】
五段
【20名】
四段
【15名】
2024年度
引退棋士
 九段  青野照市(2024年6月13日引退)
 八段  室岡克彦(2024年6月18日引退)
 八段  中座真(2024年6月19日引退)
 七段  伊奈祐介(2024年5月10日引退)
現役棋士 全172名(2024年7月23日時点、日本将棋連盟所属) / は2024年度の昇段 / 引退棋士の()は引退日 / 詳細は将棋棋士一覧を参照
第37期竜王戦ランキング戦
竜王
1組
(定員16名)
2組
(定員16名)
3組
(定員16名)
4組
(定員32名)
5組
(定員32名)
6組
(参加70名)
女流棋士
アマチュア
  • 慶田義法アマ
  • 竹内広也アマ
  • 小林康太郎アマ
  • 中川慧梧アマ
  • (出場4名)
奨励会員
次期から出場
★挑戦者 / △次期昇級 / ▼次期降級 / 初参加棋士(棋士として初参加) / 詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照。
名人
A級
B級1組
B級2組
C級1組
C級2組
フリー
クラス
宣言
棋戦限定
出場

2024年度
引退者

先頭の数字は順位(名人、フリークラス以外)/ フリークラスの数字は在籍可能残り年数(2024年度開始時点)
B級2組 - C級2組の * は降級点の数(B級2組・C級1組は降級点 2で降級、C級2組は降級点 3で降級)
詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照