小倉久史

曖昧さ回避 小倉尚」あるいは「小倉恒」とは別人です。
 小倉久史 八段
名前 小倉久史
生年月日 (1968-05-15) 1968年5月15日(56歳)
プロ入り年月日 1988年10月1日(20歳)
棋士番号 188
出身地 東京都
所属 日本将棋連盟(関東)
師匠 中原誠十六世名人
弟子 山本博志
段位 八段
棋士DB 小倉久史
2024年4月12日現在
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小倉 久史(おぐら ひさし、1968年5月15日 - )は、将棋棋士。棋士番号は188。東京都出身。中原誠十六世名人門下。

棋歴

初挑戦となった1988年前期の三段リーグを16勝2敗で1位通過、20歳でプロデビュー。中原の弟子の中で、最も早くプロになった。小倉に土をつけた屋敷伸之が2位で小倉と同様三段リーグ1期抜けを果たしたが、第1回を除くと三段リーグ初挑戦者によるワンツーフィニッシュは2023年9月に至るまでこの時が唯一であり、三段リーグ1期抜けも両者のほかには第12回(1992年度後期)で川上猛、第24回(1998年度後期)で松尾歩、第53回(2013年度前期)で三枚堂達也、第59回(2016年度前期)で藤井聡太、第71回(2022年度前期) で齊藤裕也が達成しただけである。

プロ入り後

1993年度、第6期竜王戦の6組ランキング戦で準優勝し、5組へ初昇級を果たした。

1994年、新人王戦でベスト4進出。

1995年度、第36期王位戦で初の王位リーグを果たしたが、白組で5戦全敗に終わった。

1996年度、順位戦8期目にして、10戦全勝でC級1組への昇級を果たした。残り1局の時点で昇級が決まっていたが、10勝目は亡き母に捧げる1勝であったという[1]

2003年度は、第44期王位戦で2回目のリーグ入り。羽生善治、渡辺明を破る活躍を見せたが、リーグ残留には失敗した。

2006年度、第19期竜王戦にて3連敗を喫し、6組へ降級したが、翌期の第20期竜王戦にて6組の昇級者決定戦を制し、即座に5組へ復帰した。

2008年度の第66期順位戦と、翌年度の第67期順位戦で苦戦。結果、2期連続で降級点を喫したため、C級2組へ陥落となった。

2011年度は第24期竜王戦にて3連敗を喫し、再び6組へ降級したが、翌期の第25期竜王戦にて6組の昇級者決定戦を制し、2回目の5組復帰に成功した。

2013年度は第71期順位戦で苦戦し、C級2組で1回目の降級点となった。そして2015年度の第73期順位戦でも成績が振るわず2回目の降級点を喫した。また、第28期竜王戦では5組残留決定戦で大平武洋に敗れ、3度目の6組降級となった。

そして2016年度(第74期順位戦)でも苦戦が続き、3回目の降級点が付いたため、フリークラスへの陥落となった。 一方、同年度の早指し棋戦では強さを発揮。第66回のNHK杯将棋トーナメント予選決勝で佐々木慎六段を破り、本戦へ出場。1回戦では、橋本崇載八段に敗れた。

その後も苦戦が続いていたが、2021年度は一転して好調となり、年度単位で12勝11敗の成績を収めた(6年度振りの2桁勝利数と、9年度振りの勝ち越し、という成績だった)。

棋風

  • 振り飛車を得意とし、特に積極的に攻める「下町流[2]」と命名した三間飛車を多く採用する。

人物

  • 小学6年生のとき(1979年)、新宿小田急デパートで開かれた第一回小田急将棋まつりの小学生大会で決勝戦まで勝ち進んだが、2歳年下の羽生善治に敗れ準優勝だった。2017年10月5日、ニコニコ生放送に叡王戦の解説として出演した際、リスナーからこの時の戦型を質問され、「はっきり覚えてますよ。羽生さんの左美濃で5七銀が4六にあがる当時流行していた急戦。終盤逆転されてしまったが、いい将棋だった」と語った。この大会には森内俊之も出場(羽生に敗れ3位)している[3]
  • 2008年1月現在、羽生善治に勝ち越している数少ない棋士の一人[4]
  • 競馬麻雀が趣味。競馬では、自分が好きな馬に、1レースに百万単位の金を賭けたことがある[1]という情報があったが、2017年10月5日、ニコニコ生放送に叡王戦の解説として出演した際、これは間違いで、正しくは一万円が五十万円くらいになったことがある程度であると訂正した。
  • 「下町流」を生んだ東京都江東区の多くの小学校で、将棋教室や指導などを二十年以上にわたり行なっている[5]。近年はさらに、師匠ゆかりの宮城県にも活動拠点を広げ、タイトル戦などでは仙台会場で大盤解説をすることが多い[注 1]

弟子

棋士となった弟子

名前 四段昇段日 段位、主な活躍
山本博志 2018年4月1日 五段

(2023年4月17日現在)

  • 山本は小倉と同じく三間飛車を得意戦法としている。

昇段履歴

昇段規定については「将棋の段級」を参照
  • 1982年00月00日:6級 = 奨励会入会
  • 1986年00月00日:初段
  • 1988年10月01日:四段 = プロ入り
  • 1992年10月28日:五段(勝数規定/公式戦100勝
  • 1998年05月20日:六段(勝数規定/五段昇段後公式戦120勝
  • 2005年10月24日:七段(勝数規定/六段昇段後公式戦150勝[6]
  • 2022年04月01日:八段(フリークラス規定)[7]

主な成績

在籍クラス

竜王戦と順位戦のクラスについては「将棋棋士の在籍クラス」を参照
順位戦・竜王戦の在籍クラスの年別一覧
開始
年度
(出典)順位戦
出典[8]
(出典)竜王戦
出典[9]
名人 A級 B級 C級 0 竜王 1組 2組 3組 4組 5組 6組 決勝
T
1組 2組 1組 2組
1988 47 昇段前 2 6組 -- 1-2
1989 48 C253 5-5 3 6組 -- 0-2
1990 49 C232 7-3 4 6組 -- 2-2
1991 50 C215 4-6 5 6組 -- 4-2
1992 51 C232 8-2 6 6組 -- 3-1
1993 52 C203 7-3 7 5組 -- 1-2
1994 53 C207 7-3 8 5組 -- 1-2
1995 54 C209 4-6 9 5組 -- 2-2
1996 55 C232 10-0 10 5組 -- 1-2
1997 56 C119 4-6 11 5組 -- 2-2
1998 57 C116 7-3 12 5組 -- 3-2
1999 58 C107 4-6 13 5組 -- 2-2
2000 59 C116 4-6 14 5組 -- 3-2
2001 60 C119 8-2 15 5組 -- 3-2
2002 61 C104 5-5 16 5組 -- 3-2
2003 62 C111 6-4 17 5組 -- 1-2
2004 63 C111 6-4 18 5組 -- 4-2
2005 64 C109 3-7 19 5組 -- 0-3
2006 65 C123 6-4 20 6組 -- 6-2
2007 66 C114x 3-7 21 5組 -- 1-2
2008 67 C127*x 3-7 22 5組 -- 1-2
2009 68 C201 5-5 23 5組 -- 4-3
2010 69 C216 5-5 24 5組 -- 0-3
2011 70 C218 4-6 25 6組 -- 4-1
2012 71 C227x 3-7 26 5組 -- 2-2
2013 72 C238* 6-4 27 5組 -- 1-2
2014 73 C218*x 2-8 28 5組 -- 0-3
2015 74 C241**x 3-7 29 6組 -- 3-2
2016 75 F編 30 6組 -- 2-2
2017 76 F編 31 6組 -- 0-2
2018 77 F編 32 6組 -- 1-2
2019 78 F編 33 6組 -- 1-2
2020 79 F編 34 6組 -- 0-2
2021 80 F編 35 6組 -- 2-2
2022 81 F編 36 6組 -- 0-2
2023 82 F編 37 6組 -- 0-2
2024 83 F編 38 6組 --
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。
順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 )
順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。
竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。

年度別成績

公式棋戦成績
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
1988 16 12 4 0.7500 [10]
1989 49 26 23 0.5306 [11]
1990 39 21 18 0.5385 [12]
1988-1990
(塁計)
104 59 45
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
1991 40 23 17 0.5750 [13]
1992 46 30 16 0.6522 [14]
1993 37 22 15 0.5946 [15]
1994 38 23 15 0.6053 [16]
1995 39 21 18 0.5385 [17]
1996 41 28 13 0.6829 [18]
1997 29 11 18 0.3793 [19]
1998 41 29 12 0.7073 [20]
1999 38 19 19 0.5000 [21]
2000 34 16 18 0.4706 [22]
1991-2000
(小計)
383 222 161
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2001 40 24 16 0.6000 [23]
2002 38 25 13 0.6579 [24]
2003 35 16 19 0.4571 [25]
2004 25 12 13 0.4800 [26]
2005 36 18 18 0.5000 [27]
2006 26 12 14 0.4615 [28]
2007 30 12 18 0.4000 [29]
2008 33 18 15 0.5455 [30]
2009 32 16 16 0.5000 [31]
2010 33 16 17 0.4848 [32]
2001-2010
(小計)
328 169 159
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2011 27 11 16 0.4074 [33]
2012 35 19 16 0.5429 [34]
2013 27 11 16 0.4074 [35]
2014 25 5 20 0.2000 [36]
2015 28 11 17 0.3929 [37]
2016 17 6 11 8.3529 [38]
2017 17 5 12 0.2941 [39]
2018 13 2 11 0.1538 [40]
2019 19 9 10 0.4737 [41]
2020 16 4 12 0.2500 [42]
2011-2020
(小計)
224 83 141
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2021 23 12 11 0.5217 [43]
2022 20 9 11 0.4500 [44]
2023 16 4 12 0.2500 [45]
2021-2023
(小計)
59 25 34
通算 1098 558 540 0.5081 [46]
2023年度まで

著書

  • 『振り飛車党宣言!(1)四間飛車』(1993年11月、文庫版は2003年7月、毎日コミュニケーションズ杉本昌隆藤井猛との共著
  • 『振り飛車党宣言!(3)居飛車穴熊対策』(1994年5月、文庫版は2003年9月、毎日コミュニケーションズ)同上
  • 『振り飛車党宣言!(4)四間飛車対左美濃』(1994年12月、毎日コミュニケーションズ)同上
  • 『小倉流向かい飛車の極意』(2003年9月、毎日コミュニケーションズ)
  • 『下町流三間飛車~居飛穴攻略の新研究』(2006年4月、毎日コミュニケーションズ)
  • 『三間飛車新時代』(2017年10月、マイナビ将棋BOOKS)弟子の山本博志との共著

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 第73期名人戦・大盤解説宮城会場など

出典

  1. ^ a b 将棋世界」2000年1月号付録
  2. ^ 「下町流三間飛車」(毎日コミュニケーションズ)で解説と命名由来を記述
  3. ^ まんが 羽生善治物語 88ページ ISBN 9784875769934
  4. ^ “玲瓏:羽生善治 (棋士)データベース”. www.rayraw.com. 2024年7月27日閲覧。
  5. ^ 第66回(2016年度)NHK杯将棋トーナメント高野六段の解説(2016.5.8放送)
  6. ^ “日本将棋連盟からのお知らせ(2005年11月2日時点のアーカイブ)”. web.archive.org. 2024年7月27日閲覧。
  7. ^ “昇段・引退・休場棋士のお知らせ|将棋ニュース|日本将棋連盟”. www.shogi.or.jp. 2024年7月27日閲覧。
  8. ^ “名人戦・順位戦”. 日本将棋連盟. 棋戦. 2023年12月2日閲覧。
  9. ^ “竜王戦”. 日本将棋連盟. 棋戦. 2023年12月2日閲覧。
  10. ^ [1][名無しリンク]
  11. ^ [2][名無しリンク]
  12. ^ [3][名無しリンク]
  13. ^ [4][名無しリンク]
  14. ^ [5][名無しリンク]
  15. ^ [6][名無しリンク]
  16. ^ [7][名無しリンク]
  17. ^ [8][名無しリンク]
  18. ^ [9][名無しリンク]
  19. ^ [10][名無しリンク]
  20. ^ [11][名無しリンク]
  21. ^ [12][名無しリンク]
  22. ^ [13][名無しリンク]
  23. ^ [14][名無しリンク]
  24. ^ [15][名無しリンク]
  25. ^ [16][名無しリンク]
  26. ^ [17][名無しリンク]
  27. ^ [18][名無しリンク]
  28. ^ [19][名無しリンク]
  29. ^ [20][名無しリンク]
  30. ^ [21][名無しリンク]
  31. ^ [22][名無しリンク]
  32. ^ [23][名無しリンク]
  33. ^ [24][名無しリンク]
  34. ^ [25][名無しリンク]
  35. ^ [26][名無しリンク]
  36. ^ [27][名無しリンク]
  37. ^ [28][名無しリンク]
  38. ^ [29][名無しリンク]
  39. ^ [30][名無しリンク]
  40. ^ [31][名無しリンク]
  41. ^ [32][名無しリンク]
  42. ^ [33][名無しリンク]
  43. ^ [34][名無しリンク]
  44. ^ [35][名無しリンク]
  45. ^ [36][名無しリンク]
  46. ^ [37][名無しリンク]

関連項目

外部リンク

日本将棋連盟所属棋士 (現役棋士 および 2024年度引退棋士)
タイトル
保持者
【九段 6名】
【七段 1名】

永世称号 襲位者0
永世称号 有資格者

九段
【26名】
八段
【33名】
七段
【44名】
六段
【27名】
五段
【20名】
四段
【15名】
2024年度
引退棋士
 九段  青野照市(2024年6月13日引退)
 八段  室岡克彦(2024年6月18日引退)
 八段  中座真(2024年6月19日引退)
 七段  伊奈祐介(2024年5月10日引退)
現役棋士 全172名(2024年7月23日時点、日本将棋連盟所属) / は2024年度の昇段 / 引退棋士の()は引退日 / 詳細は将棋棋士一覧を参照
第37期竜王戦ランキング戦
竜王
1組
(定員16名)
2組
(定員16名)
3組
(定員16名)
4組
(定員32名)
5組
(定員32名)
6組
(参加70名)
女流棋士
アマチュア
  • 慶田義法アマ
  • 竹内広也アマ
  • 小林康太郎アマ
  • 中川慧梧アマ
  • (出場4名)
奨励会員
次期から出場
★挑戦者 / △次期昇級 / ▼次期降級 / 初参加棋士(棋士として初参加) / 詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照。
名人
A級
B級1組
B級2組
C級1組
C級2組
フリー
クラス

宣言
棋戦限定
出場

2024年度
引退者

先頭の数字は順位(名人、フリークラス以外)/ フリークラスの数字は在籍可能残り年数(2024年度開始時点)
B級2組 - C級2組の * は降級点の数(B級2組・C級1組は降級点 2で降級、C級2組は降級点 3で降級)
詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照
典拠管理データベース ウィキデータを編集
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