高野智史

 高野智史 六段
名前 高野智史
生年月日 (1993-10-27) 1993年10月27日(30歳)
プロ入り年月日 2015年10月1日(21歳)
棋士番号 302
出身地 埼玉県富士見市
所属 日本将棋連盟(関東)
師匠 木村一基九段
段位 六段
棋士DB 高野智史
戦績
一般棋戦優勝回数 1回
2021年10月1日現在
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高野 智史(たかの さとし、1993年10月27日 - )は、日本将棋連盟所属の棋士。木村一基門下。棋士番号は302。埼玉県富士見市出身[1][2]

棋歴

5歳の頃に父親に将棋を教わったことをきっかけに、将棋を覚える[1]。 次第に熱中し、NHK杯テレビ将棋トーナメントを毎週録画するようになり、いつしかクラスメートと将棋を指しても物足りなさを感じるほどに棋力は上達し、近所の将棋教室に通うようになって、さらに上達した[2]

2007年4月に、6級で奨励会に入会、15歳で初段、16歳で二段に昇段するまではすこぶる順調だったものの、そこで足踏みをし、3度も初段降段の危機に瀕し、結局三段昇段に3年8ヶ月を費やした。 奨励会最後の関門である三段リーグには、2013年度後期(第54回)より参加。当初2期はコンスタントに白星を重ねて勝ち越したものの、四段昇段につながる成績(2位以上)を修められなかった。参加3期目(第56回・2014年度後期)でも、他力ながら昇段の可能性を残していた状態で迎えた最終日に連勝できず、4位に留まってしまった。しかし順位2位で迎えた翌第57回では4勝3敗の前半戦から連勝を重ね、成績首位で迎えた最終局でも1勝1敗となり、逃げ切りの形で優勝を決め[3]、四段に昇段した[1][4]

奨励会三段として出場した第5期(2015年度)加古川青流戦では、当時既にプロ四段となっていた石井健太郎に勝利した。

2017年6月20日、第30期(2017年度)竜王戦6組昇級者決定戦にて、加藤一二三に勝利した。加藤は前年の順位戦にて累積3度の降級点を取り、規定により引退が決まっていた。そのため、本棋戦が最後の参加棋戦であり、敗退すると最後の対局となることから、加藤に引導を渡す形となった[5]

第50期(2019年度)新人王戦を決勝まで勝ち抜く。増田康宏との決勝三番勝負を2勝1敗で制し[6]、棋戦初優勝となった。新人王の記念対局(非公式戦)は、同年に46歳で初タイトルを獲得した木村一基王位との「師弟戦」となり、高野が勝利した。

2024年2月1日、第72期王座戦一次予選での伊藤匠七段との対局に勝ち、通算200勝に到達[7]

棋風

  • 角換わりが得意。非常に粘り強い棋風といわれている[8]

人物

  • 木村一基にとっては、四段昇段した初めての弟子である。
  • 中央大学杉並高等学校[9]中央大学法学部卒業。同期に学部は異なるものの、アマ強豪で元奨励会1級の吉本悠太[注 1]がいる。
  • 中央大学出身のプロ棋士は米長邦雄大内延介横山泰明石田直裕に続き5人目[2]
  • 親しい棋士や記者からは「サトシ」と呼ばれる。将棋雑誌や新聞などにも自称して記事を書いている[10]
  • 将棋ファンからはSNS等で「タラちゃん」と呼ばれることもある[11][12]
  • 趣味はお笑い番組の鑑賞。特に笑点における、三遊亭円楽のブラックなネタを好んでいる[13]

昇段履歴

昇段規定については「将棋の段級」を参照
  • 2007年04月00日 - 6級 = 奨励会入会
  • 2009年02月00日 - 初段
  • 2010年01月00日 - 二段
  • 2013年09月00日 - 三段(第54回奨励会三段リーグ<2013年度後期>より三段リーグ参加)
  • 2015年10月01日 - 四段(第57回奨励会三段リーグ成績1位)[1][4] = プロ入り
  • 2019年12月02日 - 五段(勝数規定 /公式戦100勝[14]
  • 2021年10月01日 - 六段(竜王ランキング戦連続昇級)[15]

主な成績

棋戦優勝

  • 新人王戦 1回(第50期 = 2019年度)

在籍クラス

竜王戦と順位戦のクラスについては「将棋棋士の在籍クラス」を参照
順位戦・竜王戦の在籍クラスの年別一覧
開始
年度
(出典)順位戦
出典[16]
(出典)竜王戦
出典[17]
名人 A級 B級 C級 0 竜王 1組 2組 3組 4組 5組 6組 決勝
T
1組 2組 1組 2組
2015 74 四段昇段前 29 6組 -- 1-2
2016 75 C248 7-3 30 6組 -- 4-2
2017 76 C213 5-5 31 6組 -- 4-2
2018 77 C222 6-4 32 6組 -- 7-2
2019 78 C217 6-4 33 6組 0-1 6-0
2020 79 C218 6-4 34 5組 -- 5-1
2021 80 C219 6-4 35 4組 -- 2-2
2022 81 C218 4-6 36 4組 -- 3-2
2023 82 C234 7-3 37 4組 1-1 5-0
2024 83 C212 38 3組 --
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。
順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 )
順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。
竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。

年度別成績

公式棋戦成績
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2015 5 2 3 0.4000 [1]
2016 38 19 19 0.5000 [2]
2017 41 27 14 0.6585 [3]
2018 48 27 21 0.5625 [4]
2019 52 35 17 0.6730 [5]
2020 41 26 15 0.6341 [6]
2015-2020
(小計)
225 136 89
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2021 40 25 15 0.6250 [7]
2022 38 23 15 0.6052 [8]
2023 38 22 16 0.5789 [9]
2021-2023
(小計)
116 70 46
通算 341 206 135 0.6041 [10]
2023年度まで

非公式戦

  • ABEMA師弟トーナメント(2023年・第2回 - チーム木村<木村一基・高野智史>)優勝

出演

ウェブテレビ

  • 【将棋】棋士がつくる将棋めし(2018年9月1日、ニコニコ生放送)[18]

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 吉本は中央大学商学部在学中の2015年度のアマチュア竜王戦で優勝し、史上最年少でアマ竜王位を獲得。第29期竜王戦にもアマチュア枠で出場し、1回戦で石井健太郎に勝利した。

出典

  1. ^ a b c d “新四段誕生のお知らせ|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2015年9月5日). 2020年9月29日閲覧。
  2. ^ a b c 中央大学法学部4年次在学中HAKUMON Chuo【2015年秋号】 【クローズアップ】学生プロ棋士誕生 デビュー戦は12月 8年がかりの夢叶う 高野智史さん(法4)
  3. ^ “第57回奨励会三段リーグ戦”. 日本将棋連盟. 2017年10月31日閲覧。
  4. ^ a b “第41回「将棋の日」表彰・感謝の式典の模様|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2015年11月17日). 2020年9月29日閲覧。
  5. ^ “加藤一二三九段、引退|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2017年6月21日). 2017年10月31日閲覧。
  6. ^ “高野智史四段が優勝 第50期新人王戦 決勝三番勝負第3局|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2019年10月28日). 2020年9月29日閲覧。
  7. ^ 『実直な受けでつかんだ白星 高野智六段が伊藤匠七段に勝ち公式戦200勝 第72期王座戦一次予選』マイナビニュース、2024年2月2日。https://news.mynavi.jp/article/20240202-2875601/ 
  8. ^ 「プロ棋士カラー名鑑 2018」(扶桑社)
  9. ^ chusugi54. “高野智史四段(本校卒業生)、竜王戦で加藤一二三九段を下す : 中大杉並54期 Go Forward!”. 中大杉並54期 Go Forward!. 2020年7月11日閲覧。
  10. ^ 「将棋世界」2018年7月号 「最新型はサトシにお任せ」など
  11. ^ “わたしは巷でタラちゃんと呼ばれてるらしいのですが…”. 東竜門. 2021年10月31日閲覧。
  12. ^ TIMES編集部, ABEMA (2023年2月12日). ““タラちゃん”が牙をむいた!本戦負けなしの高野智史六段、豹変の反撃攻勢に解説棋士が「ギエー!」と絶叫 /将棋・ABEMA師弟トーナメント | 将棋 | ABEMA TIMES | アベマタイムズ”. ABEMA TIMES. 2024年7月16日閲覧。
  13. ^ 【将棋】奨励会三段リーグで高野、近藤が新四段に「夢みたいです」 2015年9月5日20時21分 スポーツ報知
  14. ^ “高野智史四段が五段に昇段|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2019年12月3日). 2019年12月19日閲覧。
  15. ^ “高野智史五段が六段に昇段”. 日本将棋連盟. 2021年10月6日閲覧。
  16. ^ “名人戦・順位戦”. 日本将棋連盟. 棋戦. 2023年12月2日閲覧。
  17. ^ “竜王戦”. 日本将棋連盟. 棋戦. 2023年12月2日閲覧。
  18. ^ “先崎学九段、阿部光瑠六段、高野智史四段、高浜愛子女流が“将棋めし”で真剣料理勝負 : ITライフハック” (日本語). ITライフハック. http://itlifehack.jp/archives/9896523.html 2018年9月11日閲覧。 

関連項目

外部リンク

  • 高野智史|棋士データベース|日本将棋連盟
  • チーム三浦 (@abT_miura) - X(旧Twitter)
日本将棋連盟所属棋士 (現役棋士 および 2024年度引退棋士)
タイトル
保持者
【九段 6名】
【七段 1名】

永世称号 襲位者0
永世称号 有資格者

九段
【26名】
八段
【33名】
七段
【44名】
六段
【27名】
五段
【20名】
四段
【15名】
2024年度
引退棋士
 九段  青野照市(2024年6月13日引退)
 八段  室岡克彦(2024年6月18日引退)
 八段  中座真(2024年6月19日引退)
 七段  伊奈祐介(2024年5月10日引退)
現役棋士 全172名(2024年7月23日時点、日本将棋連盟所属) / は2024年度の昇段 / 引退棋士の()は引退日 / 詳細は将棋棋士一覧を参照
第37期竜王戦ランキング戦
竜王
1組
(定員16名)
2組
(定員16名)
3組
(定員16名)
4組
(定員32名)
5組
(定員32名)
6組
(参加70名)
女流棋士
アマチュア
  • 慶田義法アマ
  • 竹内広也アマ
  • 小林康太郎アマ
  • 中川慧梧アマ
  • (出場4名)
奨励会員
次期から出場
★挑戦者 / △次期昇級 / ▼次期降級 / 初参加棋士(棋士として初参加) / 詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照。
名人
A級
B級1組
B級2組
C級1組
C級2組
フリー
クラス
宣言
棋戦限定
出場

2024年度
引退者

先頭の数字は順位(名人、フリークラス以外)/ フリークラスの数字は在籍可能残り年数(2024年度開始時点)
B級2組 - C級2組の * は降級点の数(B級2組・C級1組は降級点 2で降級、C級2組は降級点 3で降級)
詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照
新人王戦 優勝 1回
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
2020年代
関連項目
タイトル戦経験者を除く26歳以下・六段以下の棋士などが参加。★は三段優勝者。☆は出場中に四段昇段(該当4名)。