近藤正和

 近藤正和 七段
名前 近藤正和
生年月日 (1971-05-31) 1971年5月31日(53歳)
プロ入り年月日 1996年10月1日(25歳)
棋士番号 220
出身地 新潟県柏崎市
所属 日本将棋連盟(関東)
師匠 原田泰夫九段
段位 七段
棋士DB 近藤正和
2022年2月11日現在
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近藤 正和(こんどう まさかず、1971年5月31日 - )は、将棋棋士。棋士番号220。原田泰夫九段門下。新潟県柏崎市出身。

棋歴

1996年10月1日、25歳でプロ入り。プロデビューから負けなしの10連勝を飾り好スタートを切った。(「デビューからの連勝」の記録として当時歴代1位。現在でも藤井聡太2017年)に次ぎ松本佳介1996年)と並ぶ、歴代2位である。)

1997年、第10期竜王戦6組ランキング戦の6組優勝者となり、本戦トーナメント出場[1]。本戦では3回戦で佐藤康光に敗れたが、5組昇級。同年、第47回NHK杯戦予選決勝で神谷広志に勝ち、初参加で本戦出場を果たす。 翌1998年第48回本戦トーナメントにも連続して出場した[2]

2001年度は第14期竜王戦において、5組ランキング戦の準優勝を果たし、4組へ昇級した。

いつもにこやかで「ゴキゲン流」の異名をとり、得意戦法の「ゴキゲン中飛車」は有力な戦法として注目され、2002年度には升田幸三賞を受賞した。

2004年度は第23回朝日オープン将棋選手権では5連勝して、本戦のベスト8まで勝ち上がった(準々決勝で谷川浩司に敗退)。

2005年度は一時9割を超える勝率を記録し、最終的に37勝8敗、勝率.8222の成績で年度最高勝率を記録したため、勝率第一位賞と連勝賞を受賞。同年順位戦C級1組にも昇級した。その他の棋戦でも活躍し、第13期銀河戦ではブロック戦で6連勝となり、本戦進出。本戦の1回戦でも深浦康市に勝利した(2回戦で森下卓に敗退)。

2010年度は順位戦で苦戦し、2勝8敗で終えた結果、1回目の降級点となったが、翌年度に6勝4敗で勝ち越したことで、降級点の抹消に成功した。しかし、同年度の第23期竜王戦では3連敗を喫し、5組へ降級となった。 そして2013年度の第26期竜王戦でも再び3連敗を喫し、6組へ降級となった。

2015年度に順位戦で再び降級点を喫した後、降級点を抹消出来ない状態が続く。そして2018年度の順位戦でも苦戦し、最終局で勝利すれば降級点を三度回避、という状態で日浦市郎と対戦。日浦は順位戦9連敗中の絶不調だったが、結果は日浦が勝利。日浦に当期順位戦の初白星を与えると同時に、近藤は2度目の降級点を喫して、C級2組へ陥落となった。

その後も苦戦は続き、2019年度ではデビュー以来最大の不振となる5勝20敗に終わった。それでも順位戦の降級点は回避に成功したが、2020年度の順位戦において、1回目の降級点を喫した。

棋風

  • 振り飛車党で、特に中飛車を好んで指す。居飛車は全く指さないわけでなく稀に見せる。また飛車先の歩を突く居飛車の進行から別の筋に振りなおす変化(左玉の振り飛車)もある。
  • 中飛車その最たる将棋が2007年3月13日の順位戦C級1組最終局の豊川孝弘との一局で、先手の豊川の初手2六歩に対し、昇級が絡んでいた後手の近藤は5二飛と指し、二手目にして堂々と中飛車を宣言したが途中から作戦負けし敗れた。

人物

  • 愛称は苗字の近藤に由来する「コンちゃん」。将棋ファンからは、棋風と同じ「ゴキゲン」とも呼ばれる事もある[3]。実際に非常にゴキゲンな性格で、羽生善治同席に重い空気が流れる記者室に入ってきて開口一番「よう羽生さん! 元気かネ」と発した[4]
  • 新潟県立柏崎高等学校卒業。実家が菓子製造・販売の会社経営であること、高校が進学校だったこと、例会のたびに柏崎から長岡経由で新幹線を利用しホテル宿泊していたこと、浮世離れした独特の発言内容などから「御曹司」と奨励会時代には呼ばれた。大学に進まず棋士になったので同級生の女子たちから驚かれたという[5]
  • 趣味はジャズ鑑賞。旅行も好きで、2014年にJR西日本の全線乗覇(乗りつぶし)を達成している[6]。2017年までにJR旅客全社の路線を制覇。
  • プロになってから研究会をしたことがない。本人曰く、「自分の将棋を盤に並べて考えるだけ。対局が近くなったら、自分の勝った将棋を並べて、いい気分で臨む」とのこと。文春オンラインのインタビュー記事では、「PCは使わず、研究会もしない アナログすぎる棋士」と評されている[7]
  • 兄弟子の一人である佐藤庄平は同郷の先輩。

昇段履歴

昇段規定については「将棋の段級」を参照
  • 1983年00月00日 : 6級 = 奨励会入会
  • 1987年00月00日 : 初段
  • 1990年03月00日 : 三段(第7回奨励会三段リーグ<1990年度前期>からリーグ参加)
  • 1996年10月01日 : 四段(第19回奨励会三段リーグ成績1位) = プロ入り
  • 2001年09月12日 : 五段(勝数規定 /公式戦100勝[8]
  • 2007年07月19日 : 六段(勝数規定 /五段昇段後公式戦120勝[9]
  • 2021年05月20日 : 七段(勝数規定 /六段昇段後公式戦150勝[10]

主な成績

将棋大賞

  • 第29回(2002年度) 升田幸三賞
  • 第32回(2005年度) 勝率第一位賞・連勝賞

在籍クラス

竜王戦と順位戦のクラスについては「将棋棋士の在籍クラス」を参照
順位戦・竜王戦の在籍クラスの年別一覧
開始
年度
(出典)順位戦
出典[11]
(出典)竜王戦
出典[12]
名人 A級 B級 C級 0 竜王 1組 2組 3組 4組 5組 6組 決勝
T
1組 2組 1組 2組
1996 55 四段昇段前 10 6組 2-1 5-0
1997 56 C246 6-4 11 5組 -- 1-2
1998 57 C218 3-7 12 5組 -- 2-3
1999 58 C234 6-4 13 5組 -- 2-2
2000 59 C219 6-4 14 4組 -- 4-1
2001 60 C213 5-5 15 4組 -- 1-2
2002 61 C219 7-3 16 4組 -- 2-2
2003 62 C207 7-3 17 4組 -- 6-2
2004 63 C210 9-1 18 4組 -- 2-2
2005 64 C125 5-5 19 4組 -- 2-2
2006 65 C119 7-3 20 4組 -- 3-2
2007 66 C107 4-6 21 4組 -- 1-2
2008 67 C115 5-5 22 4組 -- 2-2
2009 68 C116 5-5 23 4組 -- 1-2
2010 69 C114x 2-8 24 5組 -- 0-3
2011 70 C131+ 6-4 25 5組 -- 3-2
2012 71 C113 5-5 26 5組 -- 0-3
2013 72 C117 6-4 27 6組 -- 1-2
2014 73 C111 4-6 28 6組 -- 1-2
2015 74 C119x 3-7 29 6組 -- 4-2
2016 75 C135* 5-5 30 6組 -- 2-2
2017 76 C121* 3-7 31 6組 -- 1-2
2018 77 C128*x 3-7 32 6組 -- 3-2
2019 78 C201 3-7 33 6組 -- 2-2
2020 79 C239x 3-7 34 6組 -- 0-2
2021 80 C245* 4-6 35 6組 -- 2-2
2022 81 C239* 4-6 36 6組 -- 2-2
2023 82 C240*x 3-7 37 6組 -- 0-2
2024 83 F宣 38 6組 --
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。
順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 )
順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。
竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。

年度別成績

公式棋戦成績
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
1996 12 10 2 0.8333 [1]
1997 42 23 19 0.5476 [2]
1998 34 17 17 0.5000 [3]
1999 39 21 18 0.5385 [4]
2000 34 18 16 0.5294 [5]
1996-2000
(小計)
161 89 72
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2001 35 18 17 0.5143 [6]
2002 31 18 13 0.5806 [7]
2003 29 16 13 0.5517 [8]
2004 45 37 8 0.8222 [9]
2005 37 18 19 0.4865 [10]
2006 31 20 11 0.6452 [11]
2007 31 14 17 0.4516 [12]
2008 30 17 13 0.5667 [13]
2009 37 20 17 0.5405 [14]
2010 26 7 19 0.2692 [15]
2001-2010
(小計)
332 185 147
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2011 25 10 15 0.4000 [16]
2012 30 15 15 0.5000 [17]
2013 28 14 14 0.5000 [18]
2014 23 6 17 0.2609 [19]
2015 24 8 16 0.3333 [20]
2016 28 12 16 0.4286 [21]
2017 25 6 19 0.2400 [22]
2018 25 8 17 0.3200 [23]
2019 25 5 20 0.2000 [24]
2020 29 11 18 0.3793 [25]
2011-2020
(小計)
262 95 167
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2021 26 10 16 0.3846 [26]
2022 29 11 18 0.3793 [27]
2023 27 8 19 0.2963 [28]
2021-2023
(小計)
82 29 53
通算 837 398 439 0.4755 [29]
2023年度まで

著書

  • ゴキゲン中飛車戦法(2000年11月、日本将棋連盟、ISBN 4-8197-0363-3)
  • ごきげん中飛車を指しこなす本(2002年7月、河出書房新社、ISBN 4-309-73133-3)
  • 新ゴキゲン中飛車戦法(2003年8月、日本将棋連盟、ISBN 4-8197-0370-6)
  • ゴキゲン中飛車で行こう(2013年8月、マイナビ、ISBN 4-8399-4788-0)

脚注

  1. ^ 第10期竜王戦6組ランキング戦・決勝 野月浩貴vs近藤正和(1997年5月30日)
  2. ^ 第48回NHK杯戦 予選 西村一義vs近藤正和(1998年2月24日)
  3. ^ 将棋世界付録「現役プロ棋士データブック2016 【上】」
  4. ^ コンチャンご機嫌事件 | 将棋ペンクラブログ
  5. ^ 『神の領域に挑む者』より「近藤正和」(鈴木輝彦著、日本将棋連盟)ISBN:978-4-839950187
  6. ^ 「将棋観戦が身近になる プロ棋士名鑑 2015」(宝島社)など
  7. ^ https://bunshun.jp/articles/-/49167
  8. ^ 「棋士の昇段など(日本将棋連盟からのお知らせ)」『日本将棋連盟』。2002年1月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  9. ^ 「棋士の昇段など(日本将棋連盟からのお知らせ)」『日本将棋連盟』。2007年8月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  10. ^ 「近藤正和六段が七段に昇段|将棋ニュース」『日本将棋連盟』2021年5月21日。
  11. ^ “名人戦・順位戦”. 日本将棋連盟. 棋戦. 2023年12月2日閲覧。
  12. ^ “竜王戦”. 日本将棋連盟. 棋戦. 2023年12月2日閲覧。

関連項目

外部リンク

  • 日本将棋連盟プロフィール
日本将棋連盟所属棋士 (現役棋士 および 2024年度引退棋士)
タイトル
保持者
【九段 6名】
【七段 1名】

永世称号 襲位者0
永世称号 有資格者

九段
【26名】
八段
【33名】
七段
【44名】
六段
【27名】
五段
【20名】
四段
【15名】
2024年度
引退棋士
 九段  青野照市(2024年6月13日引退)
 八段  室岡克彦(2024年6月18日引退)
 八段  中座真(2024年6月19日引退)
 七段  伊奈祐介(2024年5月10日引退)
現役棋士 全172名(2024年7月23日時点、日本将棋連盟所属) / は2024年度の昇段 / 引退棋士の()は引退日 / 詳細は将棋棋士一覧を参照
第37期竜王戦ランキング戦
竜王
1組
(定員16名)
2組
(定員16名)
3組
(定員16名)
4組
(定員32名)
5組
(定員32名)
6組
(参加70名)
女流棋士
アマチュア
  • 慶田義法アマ
  • 竹内広也アマ
  • 小林康太郎アマ
  • 中川慧梧アマ
  • (出場4名)
奨励会員
次期から出場
★挑戦者 / △次期昇級 / ▼次期降級 / 初参加棋士(棋士として初参加) / 詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照。
名人
A級
B級1組
B級2組
C級1組
C級2組
フリー
クラス
宣言
棋戦限定
出場

2024年度
引退者

先頭の数字は順位(名人、フリークラス以外)/ フリークラスの数字は在籍可能残り年数(2024年度開始時点)
B級2組 - C級2組の * は降級点の数(B級2組・C級1組は降級点 2で降級、C級2組は降級点 3で降級)
詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照
 
将棋大賞
勝率一位賞 受賞 1回
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
2020年代
前年度の活躍が対象
連勝賞 受賞 1回
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
2020年代
前年度の活躍が対象
升田幸三賞 受賞 1回
1990年代
2000年代
2010年代
2020年代
前年度の活躍が対象。< >は特別賞。
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