渡辺和史

 渡辺和史 七段
名前 渡辺和史
生年月日 (1994-10-06) 1994年10月6日(29歳)
プロ入り年月日 2019年10月1日(24歳)
棋士番号 319
出身地 東京都新宿区
所属 日本将棋連盟(関東)
師匠 豊川孝弘七段
段位 七段
棋士DB 渡辺和史
2024年5月9日現在
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渡辺 和史(わたなべ かずし、1994年10月6日 - )は、東京都新宿区出身の将棋棋士[1]東京都立白鷗高等学校・附属中学校[2]大正大学文学部歴史学科日本史コース)卒業[3]豊川孝弘七段門下。棋士番号は319。

棋歴

プロ入りまで

1999年(5歳頃)、父が突然仕事帰りに将棋の盤と駒を買ってきた事がきっかけに始める[4]

2006年、小学生名人戦・倉敷王将高学年の部東京都代表[4][5]、2008年奨励会入会[4]

奨励会三段リーグは、第54回(2013年度下期)より参加。初参加の成績は1勝17敗に終わるも、師匠の豊川孝弘から「まだ先がある。二段に落ちてもいいくらいの気持ちで」と励まされ、のびのびと指せるようになったという[4][6]。第65回(2019年上期)三段リーグにて、現行制度で最多タイの勝利数となる16勝2敗の成績を挙げ、リーグ1位で四段昇段プロデビューを決めた。

プロ入り後

デビューとなった2020年度から活躍し、31勝15敗と大きく勝ち越した。また、この成績により第71回NHK杯の「総合成績優秀者」による予選シード権を手に入れると、本戦1回戦でも井上慶太に勝利した[注釈 1]

2021年度は、順位戦2期目となる第80期順位戦にて、9勝1敗(1位)の成績でC級1組への昇級及び五段への昇段を果たした。特に最終局は「勝てば昇級が確定、負ければ6位」という状態になったが、相手は「勝てば降級点回避」が決まる長谷部浩平との大勝負だった。結果、渡辺は長谷部との激闘を制したが、「最後はたまたま勝ちが転がり込んできた感じで反省の内容」と振り返っている[7]。また、歴代7位タイとなる20連勝を達成し、将棋大賞の連勝賞を受賞した。

2022年度は、開幕5連敗とつまずいたものの、10月から連勝を重ね第81期順位戦にて、B級2組への昇級と六段昇段を果たした。また二年連続での連勝賞(18連勝、歴代10位タイ)を受賞した。

棋風

人物・エピソード

  • 趣味はバスケットボール[9]。中学・高校時代には昼休みに同級生だった佐々木勇気と一緒にバスケに興じており[10]、今でも佐々木勇を部長とした将棋連盟バスケ部に所属している[10]
  • 最後となった三段リーグでは、前述通り現行制度で最多タイの勝利数となる16勝2敗の成績だったが、渡辺自身は「自分の実力からしたら出来過ぎ。運が味方をしてくれた。」とコメントしている[6]。また、師匠の豊川からはTwitterで「和史!おめでとう!」とプロ入りを祝福された[11]
  • 2023年12月25日より連載開始の少年ジャンプ+『目の前の神様』(久野田ショウ)の将棋監修[12]

昇段履歴

昇段規定は、将棋の段級 を参照。

  • 2008年02月00日 : 6級 = 奨励会入会
  • 2013年10月00日 : 三段(第54回奨励会三段リーグ戦から)
  • 2019年10月01日 : 四段(第65回奨励会三段リーグ戦成績1位) = プロ入り
  • 2022年03月10日 : 五段(順位戦C級1組昇級、通算64勝29敗)[13]
  • 2023年03月07日 : 六段(順位戦B級2組昇級、通算91勝43敗)[14][15][16]
  • 2024年05月09日 : 七段(竜王ランキング戦連続2回昇級、通算116勝59敗)[17][18]

主な成績

将棋大賞

  • 第49回(2021年度) 連勝賞(20連勝、2021年10月7日-2022年3月18日)
  • 第50回(2022年度) 連勝賞(18連勝、2022年10月1日-2023年2月21日)

在籍クラス

竜王戦と順位戦のクラスについては「将棋棋士の在籍クラス」を参照
順位戦・竜王戦の在籍クラスの年別一覧
開始
年度
(出典)順位戦
出典[19]
(出典)竜王戦
出典[20]
名人 A級 B級 C級 0 竜王 1組 2組 3組 4組 5組 6組 決勝
T
1組 2組 1組 2組
2019 78 四段昇段前 33 6組 -- 3-2
2020 79 C249 6-4 34 6組 -- 4-2
2021 80 C225 9-1 35 6組 -- 4-2
2022 81 C128 9-1 36 6組 -- 5-1
2023 82 B223 6-4 37 5組 1-1 5-0
2024 83 B210 38 4組 --
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。
順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 )
順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。
竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。

年度別成績

公式棋戦成績
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2019 6 3 3 0.5000 [1]
2020 46 31 15 0.6739 [2]
2019-2020
(小計)
52 34 18
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2021 43 31 12 0.7209 [3]
2022 42 29 13 0.6904 [4]
2023 36 20 16 0.5555 [5]
2021-2023
(小計)
121 80 41
通算 173 114 59 0.6589 [6]
2023年度まで

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 2回戦では、師匠の豊川を1回戦で破った千田翔太と対局し敗北。

出典

  1. ^ a b “新四段誕生のお知らせ|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2019年8月15日). 2019年10月1日閲覧。
  2. ^ 相崎修司. “「藤井聡太七段とは一局でも多く当たりたい」多くのドラマを経て、新四段2人がデビュー | 観る将棋、読む将棋”. 文春オンライン. 2020年11月27日閲覧。
  3. ^ -歴史学科卒業生の活躍 大正大学 2019年10月18日
  4. ^ a b c d “渡辺和史四段プロフィール | 甲斐日向将棋教室”. 2020年11月27日閲覧。
  5. ^ “第31回小学生将棋名人戦【代表選手一覧】”. www.shogi.or.jp. 2020年11月27日閲覧。
  6. ^ a b “渡辺和史三段、石川優太三段がプロ入り決める 10月1日付で四段昇段― スポニチ Sponichi Annex 芸能”. スポーツニッポン (2019年9月7日). 2019年10月1日閲覧。
  7. ^ “昨日の対局は勝ちでした。” (2022年3月11日). 2022年5月22日閲覧。
  8. ^ NHK杯テレビ将棋トーナメントにおける羽生九段の評。2023年6月18日放送
  9. ^ 渡辺 和志 Twitter
  10. ^ a b 読売新聞2023年5月17日夕刊「将棋ざっくばらん」より
  11. ^ “和史!おめでとう!” (2019年8月15日). 2022年5月22日閲覧。
  12. ^ “監修させて頂いた漫画「目の前の神様」が本日から連載開始しました。是非お読み頂ければ嬉しいです。” (2023年12月25日). 2023年12月25日閲覧。
  13. ^ 「渡辺和史四段が五段に昇段|将棋ニュース」『日本将棋連盟』2022年3月11日。
  14. ^ 「渡辺和史五段が六段に昇段|将棋ニュース」『日本将棋連盟』2023年3月8日。
  15. ^ 「通算成績(2023年3月8日対局分まで、未放映のテレビ対局を除く)|成績・ランキング」『日本将棋連盟』。2023年3月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  16. ^ 2023年3月7日時点における未放映のテレビ対局等を除く通算成績は85勝43敗。未放映対局(6局)の成績は6勝0敗(NHK杯予選 3勝0敗、銀河戦本戦 3勝0敗)。
  17. ^ 「渡辺和史六段が七段に昇段|将棋ニュース」『日本将棋連盟』2024年5月10日。
  18. ^ 「通算成績(2024年5月9日対局分まで、未放映のテレビ対局を除く)|成績・ランキング」『日本将棋連盟』。2024年5月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  19. ^ “名人戦・順位戦”. 日本将棋連盟. 棋戦. 2023年12月2日閲覧。
  20. ^ “竜王戦”. 日本将棋連盟. 棋戦. 2023年12月2日閲覧。

関連項目

外部リンク

  • 渡辺和史|棋士データベース|日本将棋連盟
  • 渡辺 和史 (@beaverwatakazu5) - X(旧Twitter)
日本将棋連盟所属棋士 (現役棋士 および 2024年度引退棋士)
タイトル
保持者
【九段 6名】
【七段 1名】

永世称号 襲位者0
永世称号 有資格者

九段
【26名】
八段
【33名】
七段
【44名】
六段
【27名】
五段
【20名】
四段
【15名】
2024年度
引退棋士
 九段  青野照市(2024年6月13日引退)
 八段  室岡克彦(2024年6月18日引退)
 八段  中座真(2024年6月19日引退)
 七段  伊奈祐介(2024年5月10日引退)
現役棋士 全172名(2024年7月23日時点、日本将棋連盟所属) / は2024年度の昇段 / 引退棋士の()は引退日 / 詳細は将棋棋士一覧を参照
第37期竜王戦ランキング戦
竜王
1組
(定員16名)
2組
(定員16名)
3組
(定員16名)
4組
(定員32名)
5組
(定員32名)
6組
(参加70名)
女流棋士
アマチュア
  • 慶田義法アマ
  • 竹内広也アマ
  • 小林康太郎アマ
  • 中川慧梧アマ
  • (出場4名)
奨励会員
次期から出場
★挑戦者 / △次期昇級 / ▼次期降級 / 初参加棋士(棋士として初参加) / 詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照。
名人
A級
B級1組
B級2組
C級1組
C級2組
フリー
クラス
宣言
棋戦限定
出場

2024年度
引退者

先頭の数字は順位(名人、フリークラス以外)/ フリークラスの数字は在籍可能残り年数(2024年度開始時点)
B級2組 - C級2組の * は降級点の数(B級2組・C級1組は降級点 2で降級、C級2組は降級点 3で降級)
詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照
 
将棋大賞
連勝賞 受賞 2回
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
2020年代
前年度の活躍が対象